【金爆】夢小説(長編)
□きみいろサンシャイン10
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「………はぁぁぁん?」
沈黙を破ったのは豊だった。
「俺たちのバンドはそんな申請だけでほいほい入れるところじゃねーぞ。リーダーである翔の承認がないとな!」
ほんと元気だな喜矢武さん。若干怒ってるのかもしれないけど。
「キリちゃんはオレが入ってもよかと?」
「…うん」
「はぁぁぁんっ!?」
本日二回目。
豊が僕を見つめて「信じられない」と顔で語る。
僕だって、正直まだあまり頭がついていかないけど。
でも以前からバンドは四人がちょうどいいと思っていたし、研二さんは僕が初対面から好印象をもてたレアな逸材だし、他人が苦手な僕にはぴったりな人だと思う。
不思議な人なんだ。
のんびり屋かと思ったら根が真面目で、面白いと思ったら実は恥ずかしがり屋で、本当はとても優しい人。
まさかこの人とここまで深くかかわることになるなんて思ってなかった。そういう意味でも、不思議に思う。
「でも、いいの?」
「んー? なんのこと?」
「波川さんとか、透くんのこと…」
「ああ…二人にはちゃんと話しておくけん。今まで梨乃ちゃんの仕事だって手伝おうと思うてもできんかったし、透も忙しそうやけん、これでええんよ」
「………」
心臓の奥に、ぴりりとした痛みが走った。
さいきん僕の周りに人が集まってくる。
それも、とても心のキレイな仲間が。
これって………。
これって?
「よっしゃ、今日からおまえ下っ端な!!」
「よろしくね、研二っち!」
みんなホント、最後までテンション高山。