【金爆】夢小説(長編)

□きみいろサンシャイン10
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学校祭が終わり、ゴールデンボンバーはまた日常に戻った。
とはいうものの、今までの日常とは一味違うということは、メンバー全員が気づかないはずがなかった。
いやに存在感のある身長の、顔立ちの整った男のせいだ。

豊はさっそく研二をグラウンドに連れて行き、まるで入団テストのようなことをやっている。
一方で翔と淳は、最初こそその様子を部室の窓から眺めていたものの、飽きてしまった今ではそれぞれそこらへんのイスに座っていた。

「…淳くんさ」
「はい?」
「………」

翔がなにやらもじもじしている。

「…えーっと、どうしたの鬼龍院さん? それ女性にかわいいと思われるための動作?」
「違うよ!?」

いやに冷たくなったな!とつっこみたくなる。
でも心当たりならある。原因はこれからの話題に関することかもしれない。

「…えっと、淳くんはひょっとして、波川さんのこと……」
「?」
「あの、ボウリングのとき…僕の手を引いて波川さんのとなりに座ったから、もしかしたら淳くんは波川さんに何かあるんじゃないかと思って…」
「??」

ひたすら曖昧に事を伝えていく翔。
最初は淳の頭に浮かんでいたハテナマークも、しばらくして電球のマークに変わった。

「ああ、アレのこと!」

手のひらに拳をのせる漫画のような動作つきである。

「鬼龍院さん、何か勘違いしてない?」
「はえ?」
「僕、あれめっちゃ緊張したんだよね! やっぱり女の子はメイド喫茶じゃないと普通に接せないから…」
「はぁ?」
「……まぁこの話はいいや。鬼龍院さん、僕が波川さんを狙ったと思ってるでしょ!」
「うん!?……うん」

そこは正直に答えておく。

「違うよ。鬼龍院さんがなかなか波川さんと話せてないようだから、僕が手を引いてあげたの!」

イスの背もたれに体を向けて、淳は楽しそうにころころと笑った。

「えっ…なんで、僕が波川さんのこと…」
「見てればわかるよー! 以前も僕から波川さんの情報探ってたし、何より態度がわかりやすいもん」
「そ、そんなにわかりやすいかなぁ…」
「わかりやすいよー」
「……うーん……」

翔は困ったような顔をする。

「でも僕はコンプレックスを星の数ほど抱えている鬼龍院さんのことも応援してるから!
いくら波川さんがイケメンの透くんや研二っちに囲まれていたとしても、0.0001%くらいの割り込める可能性はあるから!!」
「ごめん、それ聞くと悲しくなってきた…」
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