【黒子のバスケ】夢小説(中編)

□王子様は居候中1 主人公SIDE
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とある大学のドイツ語のクラス。わたしはとても綺麗な男性と一緒に授業を受けることになった。
火曜日の5講目。人気の教授の講義が他にあるためか、それとも単に5講目が時間的に遅すぎるためか。
その授業は、わたしとその人の二人だけだった。

「はい。というわけで、少ない人数ですからお互い欠席しないようにしましょうね」

最後に何か質問はありますか、という先生の問いに「ありません」と答えて、その日の授業は終わった。
初回ということもあって、内容は授業説明と自己紹介くらいだった気がする。
ただ、それでも知れたことはあった。
必然的にわたしの隣に座ることとなった彼の名前は、氷室辰也ということだ。

授業後、先生はさっさと帰ってしまった。
わたしも買い物の予定があったので早めに教室を出ようと思った。
けれど思いなおして、教科書をカバンにしまっている彼に向き直った。

「…あの、」

声をかけるとこちらを向いてくれた。左目は髪で隠れていたけど、右目はどこかきょとんとしていた。

「このクラスは二人だけみたいですけど…これからよろしくお願いします」

では、と言って今度こそわたしは教室を出た。

学校近くのスーパーで夕飯の食材を買い、同じく学校近くのアパートに帰る。
誰もいない部屋で「ただいま」と言ってしまうのはもはや癖だった。
そして必ずと言っていいほど夕食を作りすぎてしまうのも、もはや日課だった。
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