【Ib】夢小説(長編)
□私と絵画と人間性T
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サリアはヨダレを垂らしていた。
目の前にはゲルテナの作品である『口直しの樹』。
(どうしてこんなに素晴らしい作品を創れるのかしら。やっぱりゲルテナ最高! ゲルテナ万歳! この展覧会に来てよかった〜!)
頭の中はパラダイスだった。
サリアはゲルテナの熱狂的なファンである。『指定席』の座り心地を確かめようとしたり、『深海の世』にダイビングしようとして、幾度となく警備員に捕まった。
(この策…! この策さえなければ簡単に行けるのに…!)
そして今は作品を取り囲んでいるロープを人殺しでもしそうな目で見つめている。
そんな昼下がりのこと。