【Ib】夢小説(長編)

□私と絵画と人間性T
1ページ/16ページ


サリアはヨダレを垂らしていた。
目の前にはゲルテナの作品である『口直しの樹』。

(どうしてこんなに素晴らしい作品を創れるのかしら。やっぱりゲルテナ最高! ゲルテナ万歳! この展覧会に来てよかった〜!)

頭の中はパラダイスだった。

サリアはゲルテナの熱狂的なファンである。『指定席』の座り心地を確かめようとしたり、『深海の世』にダイビングしようとして、幾度となく警備員に捕まった。

(この策…! この策さえなければ簡単に行けるのに…!)

そして今は作品を取り囲んでいるロープを人殺しでもしそうな目で見つめている。

そんな昼下がりのこと。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ