黒子のバスケ

□買い出し
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店につくと、黒子はかごを取りに行った。
「俺が持ってやる。」
と言われたが自分が非力って言われてるみたいで、 ちょっと抵抗してみたくなった。

「僕だって買い物かごくらい持てます。」
さっさと行きますよ。
などと言いながら黒子はさっさと歩き出す。少し後ろでは、

「途中で持てなくなってもしらねーからな」と、優しく笑う。

『あぁ、今のは反則です。』
ちょっと我が儘というか、反抗して困らせてみたかったのに、なんなにも優しくされるなんて…


不意に後ろから
「何ぼーっとしてんだよ、さっさと帰るんだろ?」

不思議そうに首を傾げる火神に、何とも言えない可愛さを感じてしまう。
『どうしてあなたはそんなにかわいのですか…!?』

「わかってます。」
ぼーっとしてたのは自分なのに、可愛らしくない返事をすると、今度は困ったような笑みを浮かべられた。


「ほら、野菜買いに行くぞ。」
先輩たちから手渡されたメモ紙を眺めながら火神は怠そうに陳列棚へ向かい、品定めを始めた。




先輩たちの買い物リストの量は半端じゃなく、どんどん黒子の腕にかかる重さが増していく。

2リットルのペットボトルのジュースを追加した
ところで、かごがズンと沈んだ。
そろそろ持つのが厳しくなってきたが、先ほどの自分の態度を思い返すと、

『やっぱり持ってください。』

なんて言えない。

かごの持ち手を握りなおした途端、かごが奪い取られた。

「あっ…」

「ほらみろ、やっぱり重かっただろ?」

「はい…」
もう少し持ってられると思ったのにな
なんか悔しいな
なんて思ってたら彼も

「思ってたより重いな、どんだけ俺らに買わせるんだよ」
などと愚痴をこぼしてる。

「火神君、」
言いかけて止めた。
正確に言うと、止められた。

「俺にまかせとけ。」
その言葉と共に頭へ落ちてきた優しいてによって。


「火神君は…ずるいです。」


呟いたその言葉は、幸いにも彼の耳には入っていなかった。
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