来神学園の平和。

□四海同胞
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―臨也said―

天敵を振り切った俺は直前に会った同級生を思い出す。

「美琴……」

中学校からのクラスメイト。

俺の大好きな人間。

俺の大好きな人間、の中の一人のはずだった。
だからこそ、美琴という人間を愛している。

四海同胞の言葉に同じ。

「そうだよ、全ての人間を平等に愛してるよ?俺はいつだってそうさ」

四つの海の何処にいる人間も、同胞として愛そうではないか。

「曇りもない俺の信念に例外が生まれたのは、いつからだ?」

人間を愛している。

その言葉に例外を与えたのは間違いなく平和島静雄の存在だ。
だけど――

それよりも前に、反対の意味での例外を俺は既に作ってしまっていたのではないかと思う。

つまり、人間としてではなく個人として、愛してしまった存在。

「全ての人間を平等に愛してる。俺は……」

そう言ってからそっと自嘲した。



大嘘つきだな、俺は。
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