…would,

□第三章
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チャットルーム outside


【最近、街に黄色い人たちがますます増えましたね】

[黄色?]

『そうなんですか……怖いですー』

≪ほんとですよねー。ハッキリと姿が見える分、ダラーズよりも目立ってますよね≫

[ああ、黄巾賊ですか]

[確かに、増えましたよねー]

≪あ、セットンさんも御存知ですか?≫

[ええ、まあ……昔からいますよね。あの連中]

[ただ、その……なんていうのかな、最近なんか、変わってきてるような]

【変わってきてる?】

『そうなんですか?』

[よく解らないんですけど、昔の黄巾賊と違うっていうか……ちょっとずれてるっていうか]

[なんていうのかな、昔よりも暴力的になってる気がします]

『うわあ……』

【へえ、セットンさん詳しいですね】

≪すっごーい。私なんか、恐くて一々観察なんかしてませんでしたから、ちっとも解りませんでしたですよー≫

『んー、甘楽さんが言うとなんだか説得力無いですよ?』

≪やん、そんなこと言わないで下さいっ、ぷんぷん☆≫

『……』

【相変わらずですね】

【セットンさんはもしかして、知り合いがいたりするんですか?】

[あ、いえ、そういうわけじゃ]




――罪歌さんが入室されました。




【あ、罪歌さん、こんばんはー】

[こばわー]

『こんばんは!』

≪いらっしゃーい!≫

{こんばんわ です。あの すいません}

【なんで謝るんですかw】

≪罪歌さん、直ぐ謝りますよねー。
最初のときはネットに慣れてなかったからウィルスとかに引っかかっててあんな事になってたんですよね?
それじゃーしょうがないですよ!≫

{すいません}

{すいません}

[謝りすぎです(笑)]

『全然平気なんですからね!』

【ま、それはともあれ、今は黄巾賊の話をしてたところですよ】

≪黄巾賊って解ります?≫

{さんごくしの ですか}

[それで合ってるんですけど、まあ、それを名乗ったギャングってとこです]

{あっ まちにいる きいろい ぬのの ひとたちですか}

『正解!』

[そうそう、それです]

【罪歌さん、見たことあります?】

≪池袋に住んでる人なら大抵見たことありますって≫

{すいません あります}

≪あやまらないでw≫

『大丈夫、普通ですよ!』

{すいません}

≪そういえば……今、ダラーズと黄巾賊って、緊張状態なんですよねー≫

[へえ]

{ダラーズ とは なんですか}

【あ、ダラーズは御存じないんですね】

{すいません}

【やや、謝らなくていいですって】

『そうですよー』

『>ダラーズと黄巾賊が緊張状態 初耳でした、抗争とかにならなきゃいいですけど』

《ですよね!怖すぎますー、引きこもりになっちゃいますよう》

[引きこもりって……ああ、ダラーズっていうのは]

内緒モード【……やっぱりそうなんですか?臨也さん】

内緒モード≪うん、マジだよ。君も当然聞いてると思うけどねえ≫

内緒モード≪黄巾賊の人達は、切り裂き魔がダラーズじゃないかって疑ってるみたいだよ≫

内緒モード【そうですか……】

[うーんと]

[ダラーズも黄巾賊と似たような、若い人達の集団ですよー]

『数はすっごく多いんですよ!』

[ですね。ただ、これといって特徴がないから目立たないだけなんですけどね]

≪その二つの組織が、この前の切り裂き事件以来、色々危ない状態なんですよー≫

{え}

{どういう ことですか}

[詳しく知らない人に話してもしょうがない話題ですよ]

≪そんなことないですって、セットンさん。池袋に住んでるなら知ってなくっちゃ!≫

『私はセットンさんに賛成ですよ。
知らなくていいことだってあるんですから』

《そんなことないですってばあ》

《ええとですね、こないだの切り裂き事件で、ダラーズにも黄巾賊にもそれぞれ被害者が出てるんですけど、どうも、お互いがお互いを犯人だと思ってるっぽいんですよねー》

《ほら、結局犯人捕まってないし》

《なんだかんだで、あの『リッパーナイト』以来、パタッと事件が途絶えちゃいましたから》

《だから、色々な憶測が飛び交ってるんですよね》

《それで、黄巾賊とダラーズの人達は、自分達の仲間をやられてるわけですから》

《犯人を見つけないと、お互いの面子が保てないわけですよ》

『面子……男の子ですね、なんだかなあ』

【……ダラーズの方は、そんなに面子自体には拘ってないですけどね】

【ただ、仲間の借りは返したがっていると思います】

≪で、今の状況になってるってわけです!≫

【まあ……お互いのことをよく解っていないでしょうからね……誤解もあるんだと思います】

{そうですか ありがとうございます}


内緒モード[ごめんね。でも、杏里ちゃんが気にする事じゃないよ]

内緒モード[勝手に勘違いしてる連中が暴走してるだけだから]

内緒モード[しないと思うけど、真犯人でもない杏里ちゃんが自首とかしても関係ないから]

内緒モード[はやまった真似しちゃだめだよ]

内緒モード[今の警察は、本当におっかないから……本当に恐いからね!特に公機は!]


{すいません ありがとうございます}

【?】


内緒モード[あっ、ええと。そっか、内緒モードのやり方は今度詳しく教えるから]

内緒モード[とりあえず、今日はこの話はここまでにしておこ?ね?]


≪なんにせよ、切り裂き魔の真犯人が両方の手でリンチにでも遭わないと……
このままいったら池袋に地の雨が降りますよー。恐いですよー。抗争って奴ですね!≫

『怖過ぎですってばあ……』

【……そんなことにならないように祈ってますよ】

{あの すいません}

{私は 今日は これで}

【あ、はいー。罪歌さん、お疲れ様でしたー】

『お疲れー!』

≪おつかれさまでっす☆≫


――罪歌さんが退室されました。



内緒モード[本当にごめんね、気にすることないよ]

内緒モード[ありゃ、遅かった]


[罪歌さん、おやすー]

[ありゃ、一足違い……]

[遅れついでに、私も今日はそろそろ落ちますねー]

≪あれ?セットンさん、今日は早いですね?≫

[ちょっと客が泊まりに来てるもんで]

『お泊りいいですねー!』

[ではまた、おやすー]

≪はいー≫

『おやすみなさいませ♪』

【お疲れ様でしたー】


――セットンさんが退室されました。

『あ、ごめんなさい私も落ちなきゃ』

【あれ、りいなさんもですか】

【今日は皆さん早いですね】

『ちょっと呼ばれて。じゃ、おやすみなさいー』

――りいなさんが退室されました。

【お疲れ様ー】

【あれ、甘楽さん?】

《あ、ごめんなさーい!大丈夫ですよう☆》

《ああ、りいなさんおやすみなさいー》




内緒モード【それにしても、罪歌さんがかかってたウィルスがやってたあのカキコ……】

内緒モード【やっぱり、切り裂き事件に関係……あるんですよね?】

内緒モード《目下調べ中だよ。なんか解ったら教えるよ。格安でね》

内緒モード【早く警察に捕まってくれれば……】

内緒モード【色々とハッキリして、黄巾賊の人達と喧嘩する理由は消えるんですけどね……】

内緒モード《どうかな。黄巾賊もダラーズも一枚岩じゃないからねえ》

内緒モード《私利私欲に走って、抗争って名目でカツアゲとかしたりする奴らも出るだろうし》

内緒モード《それが進めば、本当の抗争になるだけさ》

内緒モード【そんなこと……させませんよ】

内緒モード《どうかな》

内緒モード《もう、君にも止められないんじゃないかな》

内緒モード《黄巾賊の方は――君には止めようもないしねえ》

内緒モード【それでも……させません】

内緒モード《ふうん……》

内緒モード《ああでも……そうだな、一つだけ忠告しておこうか。これは情報屋ではなく、俺個人としてね》

内緒モード【……なんですか】

内緒モード《美琴を巻き込まないでね》

内緒モード《彼女が絡んだ時には俺は喜んで君の敵になるよ》

内緒モード【なんで美琴さんが出てくるんですか?心配しなくても友達には関係無い事ですから……】

内緒モード《うん、そう言うと思ったよ。でもそれじゃあ足りないな》

内緒モード《不意でも巻き込むことだって充分あるんだよ……もっと注意しなきゃいけない。君は既にそういう人間だよ》

内緒モード【……僕にどうしろと?】

内緒モード《平たく言うと、一橋美琴には近づかないでくれるかな》

内緒モード《今後一切とは言わないよ。黄巾賊との緊張状態が解けるまででいいんだ》

内緒モード《それが彼女を守ることなんだから》

内緒モード【あの、前から思っていたんですがお二人の関係って……?】

内緒モード《んー。秘密じゃだめかな》

内緒モード【それくらい知ってもいいと思います……違いますか?】

内緒モード《違わないな。まあ、一言で言えば恋人、だよ》

内緒モード【……え?】

内緒モード《だから簡単に言えば、俺の恋人に怪我させるなってことなんだけど……理解した?》

内緒モード《まあ、そういうことだから。よろしく頼むよ》

内緒モード【えっ……ちょっと、折原さん⁉︎】

内緒モード《切るからね》


《じゃ、私も今日はこれで!》

【お疲れ様でしたー】


――甘楽さんが退室されました。


【ではでは】


――太郎さんが退室されました。


――現在チャットルームには誰もいません――

――現在チャットルームには誰もいません――
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