来神学園の平和。

□三角と、
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次の日

「美琴さん」

振り向くとそこには岸谷くんがいて。

「昨日は大丈夫だったかい?」

「岸谷くんが人の心配するなんて珍しいね」

「うんまあ、実はほら……例の彼女……ああ!」

「えっ!?どうしたの」

「や、ごめん。ほら、例の彼女とか言うとふふ、もう君の中でセルティと俺はそんな仲なのかって想像しちゃって……」

「『今日も岸谷くんは変態でした』うん、今日の日誌の感想はこれでいこう」

「やめて!?いやでもクラスにセルティと僕の関係がそう誤解されるのならそれも……」

「変態の詳細はもちろん書かないよめんどくさい。
……で、その人がどうしたの?」

「いや、まあ正確には『人』っていうか……まあいいや。
うん、セルティに友達は大事にしろって言われちゃってね。
私は友達なんて呼べるの、臨也と静雄と美琴さんくらいだからさ」

「さらっと悲しいこといったね……岸谷くん。
まあでも、別に私はどこも怪我してないし、あの様子じゃ折原くんが怪我するんじゃないの?」

「いや、臨也の心配はまあ、本気でしてないんだけどね……」

「へえ?」

「あいつも、静雄も……変わってる奴だからさ」

「岸谷くんもね」

「まあそれはどうでもいいや。
セルティが感じる僕が俺の全てさ」

「……その台詞くらい一人称統一しないと訳分かんなくなるよ。
でも、岸谷くんと平和島くんと折原くんって、三角形なんだね」

「三角形、かい?
あと一人称については三つ子の魂百まで。どうしようもないさ」

「三つ子の魂百まで、かあ。
……ほら、バランスが取れてて崩れない、素敵なかたち。三角形みたいでしょ?」

「普通は三角関係って言わないかい、それって。
それに――」

そこで岸谷くんは一度言葉を切って、一息に続けた。

「俺には美琴さんと臨也と静雄で三角関係に見えるけどなあ」

「なんで私が出てくるのよ」

「そのうちわかるんじゃない?」







三角と、さんかくと、人間。
単純明快なかたちが姿を変えて
複雑な図形へと成り行く。


 
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