来神学園の平和。
□五里霧中
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「……昼飯にするか」
不意に呟かれたそんな言葉に頷くと、取り敢えず歩き出した。
「何食う?……つか今更だけど食べてないんだよな美琴も」
「食べてないよー。ん、なんでもいいけど……あれ?」
その時横断歩道で信号待ちをしている見知った人物が目に入った。
「ドタチン」
「おう、一橋……静雄も」
「よ、門田」
「どっか行くの?」
そう尋ねるとドタチンはいや、と軽く首を振った。
「特に。飯でも食い行こうかと思ってさ」
「あ、じゃあ一緒に行こうよ。
私らも食べに行くとこだったんだ」
「どこ行くんだ?」
「特に決めてねえけど……」
私とドタチンの視線を浴びた静雄くんは気まずそうに頭を掻くと、まあ、と呟いた。
「ファストフードとかでいんじゃねえの?」