白燈の本棚

□病んじゃった坂田シリーズ
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-1.生きとし生ける物が嫌いな坂田






あーあ、気持ちわりィ

何でコイツ等動いてんの

本っ当





キモチワルイ





うっぜー

“銀さん!”
“銀ちゃん!”

俺の名前を呼ぶんじゃねぇよ

せっかくあの人がつけてくれた名前なのに

外にもうじゃうじゃとゴミが徘徊してるしよぉ−



真選組だっけ?

はやく掃除してくれないと困るんだよね


“旦那!”
“万事屋!”

・・・・・・なんなのこいつ等、なんでのんきに歩いてるの


その腰に差してるのは見せかけなの?

早くごみ処理して、そんで死んじゃえよ



空から砲撃でも隕石でもいいから地球のここに直撃してみんな死んじゃえばいいのに


あれ、そういや何で俺イキテンダ?

ナンデダッケ?ンン?

そうだ、アイツに会えばわかるかな






大きくかけた月が雲に隠れ光が途絶える
影が一人ひっそりと塀を超えて屋敷に忍び込む





誰にもばれないようにそっとね

正面から入って邪魔するごみを片付けてもいいんだけど

晋助のだからやめとかないと

メイワクになるのは嫌だからね



そっと襖を開けて部屋に入り込む

“よく来たなぁ、銀時ィ”

雲の切れ間から覗いた月の光の逆光になって表情は伺えないが

声のトーンは愉快であると告げている

・・・・晋助って生きてたんだった




俺は生きとし生けるものが嫌い

全部一掃しないと満足できない




だけど、晋助とズラは“特別”




デモ、イキテルトキライニナリソウダネ・・・・・



“なんで、シンスケは生きてるの?”


シンスケはずっとニヤニヤしてる・・・・変なの


“なんでかってぇ?そりゃ簡単さ、銀時ィ”


簡単??


シンスケの考えてることはよくわかんないよ


“わかんねぇのか?”


シンスケはまだニヤニヤしてる


考えるのめんどくさいな・・・・


“銀時ィ、テメーが俺を殺さねぇからだよ”


そっか、ソウダネ


ホントウダ、スゴクカンタンダッタネ


“ジャァサ、俺がシンスケを嫌いになる前に死ンデ?”


“いいぜ?ハヤクヤレヨ”


“うん、先に言って待っててね?ズラもすぐにそっちに行くと思うから”


“そしたら三人で先生に会いに行くんだ”







先生のいない世界で今まで生きてきてこんな簡単なことになんで気が付かなかったんだろ?





ま、どうでもいいや









それじゃ、オヤスミ。シンスケ





















バキッ




ぐちゃぐちゃ




足音が聞こえる



見つかる前に早くいかなくちゃね




それじゃ、今度はズラのところに行かなくっちゃ



晋助と約束したからね












フフ、まっててね























イマイクヨ








END
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