マギ ジュダルの人形

□シンドリア王国へ
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それからどのぐらいたったのだろう。

水の中を漂っているような感じがした。


・・・・・

そして気が付くと柔らかなベッドの上に寝かせられていた。


ゆっくりと目を覚ますときれいな天井が目にはいった。


ピス 「あっ! 目が覚めた?」


そこには金色の髪に赤い羽根飾りをつけた女の子と


モル 「大丈夫ですか?」


赤い髪の女の子が私の顔を覗き込んでいた。


状況がよく理解できていない私は恐る恐る質問した。


サキ 「あの、・・・ここは?」


モル 「ここはシンドリア王国です。」


サキ 「シンドリア?」


聞いたことのあるような国の名前を耳にして私はゆっくりと起きあがった。


モル 「あ、起きて大丈夫ですか?」


ピス 「びっくりしたよー 空から国を見渡してたら海岸に女の子が倒れてるんだもん。」


サキ 「海岸?」


モル 「覚えていないのですか?」


サキ 「・・・はい」


ピス 「そっかー。  名前はわかる?」


サキ 「はい。・・・サキといいます・・・。」


「奴隷でした。」と付け足そうかとも思ったが、言いたくはなかったので言わなかった。


ピス 「サキちゃんか! 私はね、ピスティっていうの!」


モル 「私はモルジアナといいます。」


サキ 「はぁ・・・よくわかりませんが助けていただきありがとうございました。」


私は軽くお辞儀をした。


ピス 「いいよいいよ。 でも無事でよかった
よ。」


   「モルたん、とりあえずみんなを呼んでくるよ」


モル 「はい、わかりました。」


そう言ってピスティは部屋を後にした。




しばらく沈黙が続いた。



 


・・・・・・・・・・・・・・・




モル 「奴隷だったのですか?」


サキ 「!!!」


   「え?」


モル 「違うのでしたらすみません。  その
足首のあざ・・・」


見ると掛布の端から足首まで出てしまっていた。


サキ 「え、 あ、 その・・・」


モル 「私もなんですよ」


サキ 「え?」


モル「・・・ほら」


そういってモルジアナは自分の布を少し浮かせて見せた。


サキ 「あ・・・(ほんとだ・・)」



またしばらく沈黙が続いた。





サキ 「はい。・・・そうです。私は奴隷でした。でもバルバットの町で捨てられたんです。」


モル 「え?」


サキ 「確かにバルバッドに居たんです。でもそこからどうしてこの国に来たのか覚えていなくて・・・・」

     ズキ
  

そこへ数人の足音が近づいてきた。


コンコン


シン 「失礼するよ、目が覚めたんだってね。」


アラ 「おねえさん、大丈夫かい?」


サキ 「はい、・・あのあなた方は?」


シン 「あーそうだったな。まずは自己紹介からだ。

   「俺はこの国、シンドリア王国の王、シンドバッドだ」


アラ 「僕はアラジン!旅人さ!」


サキ 「え!? 国王様!? この国は私のようなものが倒れていただけでわざわざ国王様が見に来られるのですか!?」


国王と聞き更に自分の置かれている状況が分からなくなってしまいパニックになってしまった。


シン 「ん? 君の元居た国ではどのような扱いだったのかはわからないが、この国では人が倒れていること自体あってはならないことなのだが」


アラ 「そうだよおねえさん、この国はとってもいい国だよ!」


サキ 「・・・・・・・・・・」


私はありがたいような申し訳ないような気持ちで言葉にできるものがなかった。



モル 「あの、シンドバットさん」


シン 「なんだ?」


モル 「アリババさんはどこへ行ったのですか?」


シン 「あーアリババ君は今ちょうど鍛錬に出ているところだ。」


モル 「そうですか。」


シン 「どうした? 何か用事か?」


モル 「いえ、その、サキさんがバルバッドに居た記憶はあるとおっしゃっているので」


シン 「そうか、ま、焦ることはない。ゆっくり思い出すといい。」


   「困ったことがあったら俺を頼ってくれ」


サキ 「そんな、国王陛下にわざわざ相談にのっていただくなんて、そんな大それたことできません。」


シン 「サキ といったかな」


シンドバッド王は私の名を呼ぶとベッドの端に腰かけ私の手を包みこようにして握ってきた。


サキ 「・・・あの」


私はシンドバッド王に握られた自分の手を見て、ふと顔を上げると私を見るまっすぐな目と目が合った、


シン 「そんな遠慮はいらない。俺も君の力になりたい。」


サキ 「・・・・・・・・」


シン 「明日から私に付いているといい。俺
の、この国の素晴らしいところを君に見せてあげよう。きっとこの国が好きになる。」

   「君の【国】に対する常識をこの国で良い方向に変えてあげよう」


サキ 「・・・////////ありがとうございます。是非、お願いします。」


私は恥ずかしさから下向き加減でしか返事ができなかった。







アラ    じーーーー(サキを見てる)
      “・・・!! おねえさんの周りのルフが・・・!!



モル  「・・・?(アラジン?)」



それからわたしはしばらくシンドリア王国で過ごすことになった。
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