Short-novel
□夕焼け
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『おい!!有栖川花憐!!今日から俺様と付き合え!!』
うわっ!!
俺様とかいってるやつが来た。
俺様とか言ってて、めちゃくちゃかっこいい。
『えっとぉ…((汗』
正直困ります、はい。
どうしよう…。
『あの…、あたしあまり跡部くんのこと知らないので。』
本当に跡部くんのこと知らないのでね、はい。
『これから知ればいい。俺様が惚れる女なんてそうそういないんだからな。』
あたし、そこまですごいわけですか。
『ん??交渉成立しちゃった感じだったりしますか??』
『あぁ。成立しちゃった感じだ。』
『ほうほぅ………。ん??え??あれ??成立しちゃったんですか!?』
逆らえないな。
しょうがない、これから知ればいいんだよね??
――――――
『花憐いるか??』
うっ、早速来た。
『はい??』
『はい??じゃねーよ。今日、部活終わるの待っててほしいんだが…。』
待つ……の??
カレカノっぽいっ!!
『何時まで部活ですか??』
『18:00までだ。ダメか??』
18:00、大丈夫だな。
跡部くんと帰れる!!
『いいですよ。校門で待ってますね。』
『あぁ。……あと、敬語止めろ。』
敬語を止めるっ!!
出来るかな…。
『ぅん??わかった。』
――放課後――
17:50までは、この教室からテニス部の練習を見る。
もうアップを始めていた。
跡部くんと目があった。
『……!!』
跡部くんが笑ってくれた。
あたしも笑い返した。
泣きボクロがよく映えた。
――17:50――
『さぁ行こうかな。』
席を立ち、校門に向かった。
跡部くんがちょうど来たところだった。
『花憐!!』
『跡部くん!!帰ろう??』
それからあたしたちは、テニス部の話をしたりした。
忍足くんが変態だとか。
向日くんがみそっ子だとか。
あっという間に家についた。
『跡部くん、送ってくれてありが……
(( チュッ ))
リップ音が響いた。
『景吾って呼べよ。』
あたしはコクりと頷いた。
『景吾、送ってくれてありがとう。』
『愛しいお姫様。また明日な。』
(( チュッ ))
あたしたちは夕日がバックの幸せなキスをした。
end.