Short-novel

□勉強会
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俺は今、有栖川と勉強会をしている。
なぜか俺の家で。


『日吉‐。これ、教えて。』

言うほど頭が良くない俺に聞かないでくれ。
しかも、これ…。

『音楽…。』

俺の苦手な音楽。
勘弁してくれ。

『そっ!!音楽!!日吉、頭良いじゃん??だから、教えて!!』

だから頭良くないって。
音楽なんて俺には理解出来ない。
苦手な音楽を教えるなんて、無理だ。

『頭良くないし。てか、俺さ音楽苦手だから教えてやれないんだよね。』

『………うそ。』

嘘をついてどうする。
本当にこれだけは無理。

『嘘じゃないって。』

いや、真面目にこれは嘘じゃない。
音楽なら長太郎に聞けばいいじゃんかよ。

『長太郎に聞けば??てかいっそのこと、榊先生に聞けば??』

『もうっ。日吉、わかってないよ。日吉じゃなきゃ嫌だ。』

嫌??
え、何が。
何が嫌なんだよ。
長太郎でいいじゃん。
俺じゃなきゃ嫌??

『………なんで??』

有栖川が俯いてる。
どうしようか。

『どうした??』

あー、俺のバカ。
どうした??って。
なんつー聞き方。

『日吉、気付いてないの??』

『なにが??』

真面目になにが。
でも俯いてた有栖川、可愛かったな。
何を考えてんだ、俺は。

『あの…ね??』

何か緊張してきた。
どうしたんだ、俺。

『うん??』

とりあえず、聞いてあげればいいかな。

『うちね、……日吉のことが、好き……なの。』

……………は??
好き??
有栖川が俺を??
こんなに無愛想で頭良くない俺を好きになる??




でも、嬉しい。
なんか、嬉しい。

答えよう。
有栖川の気持ちに。

『……ん。ありがと。
俺も花憐のこと好きだよ。』

幸せそうな笑顔で見つめられる。
すごく可愛い。

『ありがとう、若。
大好きだからね??////』

わーわーわー。
照れてる///
すごく可愛い。

ここは1つ。
抱き締めてみよう。

立海の詐欺師が
『付き合ったら、抱き締めなきゃダメじゃき。』
って言ってた。


(( ギュウッ ))

172cmある俺の腕の中に収まるわけではない。
花憐は165cmもある。
でも7cm低い花憐は、可愛くて仕方ない。

『あったかい…//』

『俺も花憐のお陰であったかいよ。』



これからは恋人。
昨日まではクラスメイト。

特別な関係。

俺たちの恋は、まだ始まったばかり。



end.

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