Short-novel

□最後の愛の言葉
1ページ/2ページ






―――――行かないで




そう言っても、君は振り返らない。
最後に貴女が言った言葉は――――――



―――――――



「なに??」


『だから...、別れよう??』


唐突すぎて、返す言葉が出なかった。
何故、別れるんだ??
俺は、花憐先輩に何かしてしまったのだろうか。


「俺は、何かしてしまいましたか??
花憐先輩は、俺を嫌いになってしまいましたか??」


『……ううん。
何もしてないし、あたしは若を嫌いになってない。』


「ならば、何故ッ!!『辛いの。あたしは辛いの。』


辛い。
そう言った花憐先輩は、泣いていた。
大粒の涙を溢して。


「そうですか…。
…………俺じゃ、貴女を支えられませんか??」


花憐先輩は、頷いた。


『支えるとかじゃなくてね…、若に迷惑かけたくないし。
………それにね…、あたし氷帝の高等部に行けないから。』



「行けないん……ですか…??」


驚いた。
先輩の成績なら、高等部なんて楽に行けるはず。
それに、先輩の家柄的にも行けないはずがない。



『じゃあ…。
今までありがとう。
今もこれからもずっと、若のことが大好きだから…ッ。』


「……!!!!行くな…ッ。」


そう言っても、花憐先輩は振り返らなかった。
最後に貴女が言った言葉は――――――



『―――――また、来世で。』




それは、貴女との永遠の別れを示す最後の愛の言葉。


.
⇒あとがき
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ