水色の糸

□昼休み
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「姫野さーん!生徒会室行こう!」

「はい、ちょっと待って下さいね…あった」

「え!?姫野さん弁当!?手作り!?」

「そ、そうですけど…おかしいですか?」

「いや、おかしくないよ!料理できるんだ!」

「一人暮らしが長かったんで…簡単なものだけですけど」

「後で井浦にも頂戴!」

「はい、いいですよ、お口に合えばいいんですけど」


授業を終え、やっとのことで昼休みがやってきた。
いろんな人に一緒にご飯を食べないかと誘われたけど、京ちゃんたちと食べるといったら皆納得してくれた。
京ちゃんはどれほどの権力を持っているというのだろうか。
あの性格からしたら、恐れ半分好かれ半分って感じだろう、うん。
ちなみに私はどっちにも所属している…じゃない。
弁当、癖で朝から張り切って作ったけど、作ってよかった!
購買で買い物普通にできるじゃんとか思った私死ね!!
まさか井浦君に褒められるなんて!
しかも後で食べてくれるって!!
……気に入られなかったらどうしよう。
お、美味しくないとか、思われたらどうしよう。
料理へただとか思われたらどうしよう。
ショックで立ち直れなくなるかもしれない。
いや、ショック死してしまうかもしれない。
よしっ、まず京ちゃんらへんに味見してもらおう!!
そうしよう、それが一番いい方法だ、京ちゃんが不味いって言ったら不味いらしいからって…よしこれだ!!


「姫野さんさ!!」

「はい?なんですか?」

「堀さんのことどう思ってる?」

「…堀さんですか?」

「そう!」


何でそういうことを聞くのだろうか…
特に何の意味もないか?


「えっと、強い人だと想います、宮村君のこと好きで、あんなでも、一応女の子っぽいところもあるんです堀さんは」

「えー!え、え〜?そうなんだ、俺堀さんって怖いイメージしかない」

「そうですね…若干暴力的ですもんね、口より先に手が出てるって感じじゃないでしょうか」

「ふーん、改めて宮村すげーや!」

「…そうですね、すごいです」


そうだな、改めて考えると、いっくんはとてもすごい。
どSな彼女の愛(暴力)を一身に受け、それでいて変な要求には応え、そして彼女を愛するって。
うん、すごい。
あんなに変化するんだもん、人を変えるんだもん、京ちゃんもいっくんもすごいや。
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