水色の糸

□この世界
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「それじゃ意味ないじゃない、却下」

「え!?なんで!?」


私の提案は、意図も簡単に京ちゃんに却下され、周りの皆もうなずいていた。
何人か、惜しそうな顔をしていたけれど。
皆少しは協力的だと思ってたのに、私と井浦君がお近づきするのに。
いやいやいやいや、お近づきなんておこがましい。
もう一緒にいるだけでも奇跡だっつーの。


「何でってあんた…当たり前じゃない」

「えぇ…」

「どうしてもって言うのなら井浦にだけ作ってくればいいでしょ」

「そ、そんなことできないよ!つ、つつ、付き合ってるわけでもないし、理由がないし、何より拒否られたりしてみなって!//」

「はぁ?」

「姫ちゃんさっきあーんまでできたのに、それくらいのアピールもできないの?」

「あーん?」

「えっ、姫野さんもしかして、無自覚だったの?」


さっきからこの人たちは一体何を言っているのだろうか。
私はさっきから特に効果的なアピールをしていないはずなのだが。
強いて言うなら、料理を食べてもらった。
美味しいって言ってくれたよ…あぁ嬉しい。
じゃない、考えが他のところに言っちゃうのは私の悪い癖だな。
あーん、あーん、あー……んん?


「あぁっ!!」

「おそ!本当に無自覚だったわけあんた!」
「あ、え、い、あの、た、たた、食べてほしいなくらいしか、考えてなくてっ」

「姫野さんって乙女だね」

「ホントにな、吉川もさぁ…なんでもない」

「な、なによぉ」


「だからなんでもないって」

「姫野さん、ずっと疑問だったんだけど」

「な、なに?」

「姫野さんは、井浦君のどこがいいんだ?」

「…え?今翔が聞いてる?」

「翔以外の誰に見える」

「いや、まさか翔がそんなこと聞くなんて思ってなかったから…」

「井浦君が悪いとは言わないよ、けど姫野さんはそこら辺の女よりはテンションは高いかもしれないが、ずっと女らしいし、もてるだろう?」

「………」

「姫野さん?」

「そりゃあ井浦君専用にウザフォルダを作った人にはわからないでしょうね〜」

「それとこれとは関係ないんじゃ…」

「えっ、会長そんなフォルダ作ってたの!?」

「宮村君はややこしくなるから口を挟むな!」
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