水色の糸
□迷い
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「もう大丈夫ですし、戻りましょう」
「えぇ、もうチョイサボりたかったんだけど…」
「駄目ですよ、授業はきちんと受けないと」
「うぅ…姫野さんってば真面目…」
今何時くらいだろう。
そろそろ学校終わっちゃうんじゃ…
いや、いくらなんでもだよね。
ていうか、まさか転校(?)初日で休んでしまうとは。
井浦君にまで迷惑かけちゃっ…
ストップ!!!
私転校初日から同じクラスのこと一緒に休んじゃってるの!?
これ、経験したことこそはないけど、フラグじゃない!?
他の人たちとか噂しちゃってるんじゃない!?
そして二人ともなんか意識しあって段々…なんて奇跡が起きたならば。
第一印象は辛うじてゲットはできてるはずなんだけど、得体の知れない人間のこと意識するか?
私は近づこうともしないけど。
「姫野さん?」
「ぅあい!」
「ぅあいって…顔色まだよくないけど、大丈夫?」
「え、すみません、大丈夫です」
「あとさ、俺もちょっと寝てたから気づかなかったんだけど」
「はい?」
「学校終わってる」
「……はい?」
「ごっめーん!いや、なんか音楽聞いてたら寝ててさぁ、いくらなんでも放課後までは寝ないだろうと思ってたんだけど、ぐっすり寝ちゃって!」
「マジですか…」
「あはは!いやぁ、俺起こす係で残ったんだけど…ごめんね!」
でも私が起きたとき起きてたじゃん!
え!?
疑問に思っちゃ駄目系!?
私が起きるちょっと前に起きたってこと!?
フィーリングばっちり!?
なんて馬鹿なこと考えてどうする!
嘘…初日だぞ…