そして罪人は嘲笑った

□#04
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翔と蘭に連れられてやってきた城下町。
第一印象は「綺麗」だった。

地理の授業の時、教科書で見たようなヨーロッパの街並みに似た、レンガ造りの建物。

足元にはこれまレンガが敷かれていて、ブーツの俺たちは、歩くたびに「カツカツ」という上品な音を鳴らしている。

少し先には、大きな噴水があって、その周りには人混みができていた。


『うわー…』
「どうだ、意外といいもんだろ?」
「王宮から見た風景もいいけど、僕はここからみた街並みの方が好きなんだ。」

確かに、ここから見える街並みもすごくいいと思う。
なんか…今まで教わってきた【大罪者】とは全然違うな、なんて実感が今さら沸々と湧いてくる。

日本の街並みも奇麗だけど、ここの「綺麗」とは少し違う気がする。
何ていうんだろう。
…こっちは「幻想的な綺麗」なのに比べて、あっちは「清潔的な奇麗」、というか…。
日本の冷たさが感じ取れた気がした。

そんなことを考えながら二人についていくこと10分あるかないか。
人影も薄れてきて、辺りには怪しげな雰囲気が漂い始めてきた。

『なぁ、ここってどこ?』
「歓楽街だよ」
『カンラクガイ?』
「簡単に言えば、映画館・劇場とか、カジノ、風俗とかの集まりって事だな」
『ふっ…!?』

知識はある。
女性が男性にたいして………みたいなサービスをする所。

けどまさか…実在するのか。
日本にはそういう思想すら廃れていたから、すっかり過去のものだと思ってた。

「ハハッ、何驚いてんだよ」
「まさか、聞いた事なかったとか?w」
『……。』
「………マジ?」

マジです。
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