NORN9 ノルン+ノネット

□予告

予告※予告のみ名前固定(夢主は志穂です)

『いい?絶対に、誰が来ても、僕の名前を名乗ってはいけないよ。親はいない、そう言ってね。


もちろん、愛音(アイネ)という名も、言ってはいけない。


名乗るとしていいのは、名前だけ。


志穂っていう君の名前だけだ』




そう言って、彼は一切姿を見せなかった


それから早10年ほどたった、ある日



「何するんだよ!いきなり子供を叩くとか、何!?僕を誘拐する気?」




偶然、一人の少年と出会う


なぜか、あの時の彼と、姿が重なった




「一緒に、行きませんか?探しましょう!あなたの帰り道」




少年を共に助けてくれた、名前を忘れた女の子に手を引かれて、『船』に走って行った




誰も知らなかった




辛くて、定められた運命の、旅が始まることを




「新入り!?まじで!」



「未来からのお客さんか。面白いね」



「君、名前は?」



「(志穂)」



「…この人は喋れないんだ。ぼくは鈴原空汰」



「わたしは………ええっと………」




彼女が名前を忘れてしまった理由


志穂には、それが分からないでもなかった




「まあいいわ、でもこれは分かるわよね。『能力』について」



「!」



「…はい………わたしは……『能力者』……です」



「…………」




『能力』『能力者』



悲しい運命を背負った、12人の少年少女たち




「(皆の言う『能力』とは違うかもしれないが、変な力はある)」




志穂のもつ力は、『能力』などという安易な言葉でまとめられるのか




「私たちは、その『能力』で平和を作るの。『世界』から与えられた使命よ」




『世界』とは、なんなのか




「………俺が望むのは、貴様ら『能力者』の滅亡だ」




「ああっ!そんな怯えないでくださいよ〜。でも……なんだろう、なぜか頬が熱くなって!やっぱり俺を痛めつけてくれまへぶっ!」



「ねえ、君の『能力』ってなんなの?」




この船に、もうひとつの困難が




「襲撃犯の男をまた見たわ。だけど……、こういう可能性しかないの。襲撃犯意外に、内部犯がいる」




船を襲った内部犯は一体誰なのか


襲撃犯がそう願う理由とは




『愛音、もし、僕に何かあったらー』



「…………不知火、なんて言ってるか分かるか?」



「……ううん、分からない」




仕方なく、重い口を開く




「…ほう。主らには手話は通じぬか」



「お前喋れるのか!!?」



「………喋るのが嫌いなだけじゃ」




志穂が喋らなくなった理由




「お前って笑うとかわいいじゃん!そんなに喋れるとは思わなかったわ!」



「君が思っている以上に、俺たちは君といることを楽しんでるよ」



「あれ作ったの、お前なんだろ?……薬草をいれてあれだけの料理作ったの」



「いずれ離れ離れになるのに……あなたは、嫌じゃないんですか?」




少しずつ、打ち解けて、会話も弾むようになる


見え隠れする、皆を取り巻く心の闇




「わたしは………この能力でみなさんがいなくなると思うと……いやなんです」



「頑張っても頑張っても、朔也より何かが上手になることはなかった」



「私のこの能力は………あっていいものじゃない。嫌い。大嫌い」



「わらわの……力は………呪われておる………」




あの事件以来、喋ることが、怖くなった




『ばいばい!』




『!!……うん、ばいばい!』




「もう………死なせてくれんか?……」



「君の声、きれいで、透き通っててさ。君が言うみたいに、呪われてるなんてどうしても、思えない」



「……歌ってください。前に寝かせてくれたみたいに、歌ってください。あなたの言葉は、……呪いなんかじゃない。僕を救ってくれた」



「ねえ、志穂ちゃん。あの夢でのあの人。あの人が、今まで苦しめてきた君の心の枷?とても頑丈な枷だね。……だけどさ、あの人は分かっているよ。君自身が、抜け出さないといけない」



「なあ、喋ろよ!!前みたいに、皮肉ばっか言ってみろよ!!あの時みたいに歌ってみろよっ!!俺に手話は通じねえぞ!!」



「お前が喋らなくなったの……分かったよ。あんなの見たら、誰でもそうなるよな。辛かったろ、悲しかっただろ………自分を責めたくなっただろ?………」




夢でぐっと、彼が近づいて、………



………また、怖くなった




「もう皆知っている!!お前は体が弱いんだろう!!」



「わらわだって………戦える……弱くなんかない、役立たずなどではない!!!」




思い上がり、だったのかもしれない


心のどこかでは、思っていたんだ




「なんで、わらわは………こんなにも………非力なんじゃ…………」



「いいよ、俺が、君を守るよ。絶対」



「僕だって、男です。……守りますよ、志穂のこと」



「命に代えてでも守るって、こういうことなんだろうね」



「守りたいと思ったから、そうしてるだけだ。……泣くんじゃねえよ」



「男をなめんなよ!好きな奴の1人くらい、守れないでどうする」



「なんでだろう……俺、君をかわいいと思ってる」




私は、彼を愛していいでしょうか




「…………好きだ」




死にたくない


生きたい


彼と一緒にいるために




…生きたい




「愛音!?」



「『能力』がある理由。それはー」



「そんなことのために……俺たちはこんなに苦しめられたってのか!!」



『偉い人たちは、そんな恐ろしいことを本気で考えているんだよ?……ありえない………』




この計画のために、この12人は苦しんできた




「よく、来てくれました。志穂」



「!!……愛……音…」




志穂の過去の真実を、すべて知る




「ごめんなさい………ごめんなさい……志穂…本当は、あなたにあげようとは思ってもいなかったのに」



「主は……悪く……なかろうっ……」




志穂の力の正体


捨てられた


勘違いして過ごしてきた今までの自分が、馬鹿らしい




「わらわは、主といたから、生きたいと思えたんじゃ」
















「一緒に、生きてくれるか?」


予告(終)
※もしかすると、制作の都合上、ここに出てきたセリフがなくなる可能性があります。ご注意を。
※対象キャラは、駆、千里、一月、暁人、平士、雪となっております。
※選択式小説です。プロローグが終わり次第、対象キャラの話に飛んでもらう形式になります。また、対象キャラ複数に共通するイベントなどがあります。
※このお話は中編です。第二章などに続くことはありません。短編に更新することはあります。
※オリジナルキャラが多数います。夢主・オリジナルキャラ説明にてお確かめください。
※主人公(夢主)はドリーム設定ができ、名前を変更できることとなっております。。
※主人公(夢主)のセリフは「」で表示しております。『』がお好みだった方、申し訳ありません。回想など、特別な場合のみ使用します。

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