memory
□2.後悔と、本当の始まり
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ソ:「…………うん、言ってたね。…でもどうしてそんな風に思うの?」
レ:「もちろん、ラビのことは信じたいの。最初に、ラビが女の子ナンパして遊んでたって、そう聞いたときはそんな言葉信じてなかった。でも…写真、見せられて…。本当、なのかなって、思って。」
ソ:「…でも、アイツはやってないって言ってたよ?レイラも聞いてたろ?」
レ:「…うん。必死で、違うって何度も言ってくれた。………でも、私に今回のこと教えてくれた人が嘘ついているとも思えない…。」
…そう
もし新君が嘘をついていたとして
だとしたら目的は?
そんなことしたって、新君には何のメリットも無いもの…
ソ:「…じゃぁやっぱり、ラビが嘘ついてるって思う?」
レ:「そうじゃない…!!そうじゃ、ないよ…。さっきも言ったけど、ラビのことは信じたい。信じたいけど…でも…写真だって、あるし…」
もう、私にはどうしたらいいか…分からない…
ソ:「…そっか。」
レ:「ソーちゃんは…?」
ソ:「ん?」
レ:「ソーちゃんは、どう思うの…?」
ソ:「俺…?俺はね、最初からラビを信じてる。」
レ:「写真も…あるのに…?」
ソ:「まぁ…確かに写真見た時はびっくりしたけどさー…」
…実はあれ合成写真だったしなー…
でもこれって俺が言っていいことじゃ無いだろうし…
レ:「…?」
ソ:「あ、いや。ビックリしたけど、アイツはやってないって言った。…それにさ?俺が知ってるラビはあんなことするようなやつじゃないしね。だから俺はアイツを信じる。…それだけ(ニコッ)」
レ:「ソーちゃんの、知ってるラビ…?」
ソ:「そう。俺の知ってるラビは、自分がどんなに不利な状況にいたって嘘はつかないし…それに何より、呆れるくらいレイラに一途なバカ兎。」
レ:「………!」
私に…一途…?
ソ:「…なぁ、レイラ」
レ:「な、に…?」
ソ:「絶対に、このまま終わらせちゃだめだよ。ちゃんと、ラビと話しな。このまま2人の関係が何もせずに壊れるなんてことになるのは、例え周りが許したとしても俺は許さないよ。」
レ:「………っ」
ソーちゃんのいつになく真剣な表情に、私は思わず俯いた
だって…怖い
何が正しくて何が間違ってるのか…
それを知ることになるのが、本当に怖い
ラビが本当に何もやってないなら、それほど嬉しいことはないよ
でももし…もし、新君の言ってたことが正しくて、あの写真が本物だったら…?
そんなの私にはたえられない
ソ:「今はまだ怖いと思う。怖がるなってのが無理なのも、十分承知してるつもりだよ。だから、急がなくていいんだ。時間はたっぷりある。レイラの心の準備ができたら、ちゃんと…ラビと話しな。」
レ:「う、ん…。」
ソ:「…最後に、俺からお願い。」
レ:「…なに?」
ソ:「…こんなものや、そこまで親しくもない人の言葉よりさ、…レイラが今までずっと見てきたラビのこと信じてやって?」
レ:「………!!」
そう言ってソーちゃんは、私が新君に渡されたあの写真を私に見せた
今まで見てきたラビ…
私の知っている、ラビ…
…本当に、信じていいのかな
それが原因で、…また、傷ついたり、しないかな
やっぱり…私にはまだ分からない
…でも、ソーちゃんが言ってるように、いつかはちゃんと話さなくちゃ
ソ:「…よし!!これで話はおしまいっ」
レ:「…ありがと。」
ソ:「んーん、礼言われるようなことはなんもしてない。…がんばれ。」
レ:「…うん、じゃぁ…戻るね。」
それから数日後ー
ラ:「あ…レイラ…!!」
ビクッΣ
ラ:「ハァ、ハァ… 話、きいてくれさ…ちょっとでいいから…」
レ:「……………だ」
ラ:「え?」
レ:「やだ…!!聞きたく、ない…っごめんね、私…まだ、無理…」
ラ:「…っ、だよな…。こっちこそごめんな、無理に…話しかけたり、して…。もう…しねぇから。」
レ:「…………っ、ごめんっ」
ラ:「…はっ、なに…してんさ、俺…。」
レイラだけは…泣かせたく、なかったのに…
全部、俺が悪いんさ
こんなことになっちまったのはきっと…
レイラに会う前までの、俺の女癖が悪かったせい
きっと…全部調べ上げた上で、この方法が一番あってるって考えだったんだろう
…全く、その通りさ
あーくそっ
ラ:「ほんと…最低さぁ、俺は…」
コムイ(以後コ):「あ、ラビ!!いたいた、探してたんだよー…」