memory
□6.突きつけられた現実
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みー!!
かぷっ
レ:「いたっ…!!」
みー、みー!!
…そうだ、今は自分を責めてる時間じゃない
そんなのは後だ
今はラビを助けなきゃ
ありがとうココ、噛んでくれたお陰で正気に戻れたよ
レ:「しっかりして!!」
葵:「お願いします…早く、早くラビを…!!」
レ:「…あなたも怪我してる。一緒に」
葵:「私はいい…!!私は後でいいです、だから早く…ラビをたすけてください…!!彼にはやらなきゃいけないことが、あるんです…だから…!!」
ドサッ
レ:「ちょっ…!!」
よかった…気を失ってるだけだ
とにかく早く医務室に行かなきゃ…
リ:「レイラ?何かあっ…。!!?ラビ…!!なんで…」
レ:「リナリー、彼女をお願い。私…」
リ:「えぇ、わかってる…!!」
レ:「ラビ…お願い、死なないで…!!」
リーバー:「室長、レイラからです。なんか物凄く焦ってて…」
コ:「レイラちゃん…?」
何があったんだろう…
確かあの子はラビを出迎えに…
…!!
まさか…
コ:「レイラちゃん?僕だ。何があったんだい?」
レ:『コムイさん…ラビが…ラビが…!!血だらけ、で…!!』
コ:「…!!」
…いやな予感と言うのは
なぜこうも当たってしまうんだろうか
コ:「今こっちに向かってるね?今リーバー君が医療班に連絡取ってくれてるから、直に合流出来るはずだ。僕もすぐ行く。レイラちゃん、気をしっかり持つんだよ。ラビならきっと大丈夫だ。」
レ:『………っ、はい。』
…彼女は強い
こんな状況でも
絶対に、泣かない
でもそれと同時に
あの子はとても壊れやすいんだ
ラビ…ダメだよ
君は死んじゃいけない
君が、レイラちゃんを守るんだ
あの子が一番あの子らしくいられる場所は
――――いつも笑ってる君の隣なんだから
コ:「リーバー君、行こう。」
リーバー:「はいっ…!!」
コ:「レイラちゃん、リナリー…!!」
レ:「コムイさん…」
コ:「ラビは…」
リ:「今、手術始めようとしてるんだけど…なんだか、様子がおかしくて…」
コ:「…?どういうことだい?」
僕は手術室の端にある、ガラス窓から中を見た
…そこには、意識が朦朧としている中で
ーーーバンダナとペンダントを必死に握りしめるラビがいた
…そうか
それで手術がはじめられないのか
コ:「ゴメン、ちょっと中に入れてくれないかい?」
「え、でも室長、…」
コ:「このままじゃいつになっても手術は始められないだろう?すぐに、終わるから。」
「…はい、どうぞ」
「ダメです、力が強くて…」
「困ったな…これらをはずさないと何も出来ないというのに…」
コ:「ちょっといいかい?」
「「室長…!!」」
コ:「……………ラビ。」
ラ:「…はっ、はっ…」
コ:「頼むよ、手を離してくれないかい?そうじゃなきゃ…君を助けられない。」
ラ:「…だめ…さ、これ…だ、じな、もん…、…れの、たから…もの、なん、さ…、ぜ…たぃ、だめ…」
コ:「…うん、知ってるよ。僕が分かるかい?コムイだ。」
ラ:「…コ、ムイ…?」
コ:「あぁ、僕だ。バンダナとペンダント…。これ、レイラちゃんに貰ったものだったね、だから大切なんだろう?大丈夫、わかってるから。だから、君が元気になるまで、僕が預かるよ。無くさず大切に保管しておくから。…手を、離してくれないかい?」
ラ:「……はっ、…た、のんだ……」
ラビは手の力を抜いてくれた
コ:「…じゃぁ、よろ…」
パシッ
コ:「…ラビ?」
ラ:「こ…れ、も…」
コ:「え…。…!これ…。うん、分かった。預かるよ。レイラちゃんにも…内緒にしておくから。」
ラ:「…サン、キュ…」
…麻酔が効いてきたのか
ラビは意識を手放した
…任せて
僕が、責任を持って大切に預かっておくから
だからちゃんと、自分で取りに来るんだよ、ラビ
コ:「…じゃぁ、よろしくね」
「はい、全力を尽くします」
リ:「兄さん…」
コ:「あぁ、大丈夫だよ。手術、始まったから。」
ソ:「コムイ…!!ラビ、重傷だって…、聞いて…!!」
コ:「今、手術が始まった所だよ。ソータ、一週間の任務明けだろう?部屋で休んでた方が…」
ソ:「バカ言ってんじゃねーよダチが死にそうな状況なのに休んでなんていられっか!!」
コ:「…そうだね、ならせめて座ってて。レイラちゃんも…ね?」
ソ:「レイラ…おいで。」
レ:「ソーちゃん…?」
ぐっ
レ:「きゃっ…!!」
…言われるがままにそばに行ったら
抱きしめられた
なんだかソーちゃん、震えてる…
レ:「ちょっ…どうしたのソーちゃん、なんか変だ「こんな時まで我慢すんな…!」」
ビクッΣ
レ:「…へ、」