memory

□16.新たな決意
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ズル…ぺたんっ…

葵:「うそ、でしょ…?」

…とんでもない話を、聞いてしまった…

葵:「…どーしよ、立てない…」

手まで震えてる…
…レイラちゃんが…レイプ?
それに…なんとなく、だけど…いまの話の流れだとラビは…、

葵:「本当は、レイラちゃんのこと…」

















ーーー思い、出してる…?









葵:「…病室、抜け出すんじゃなかった。」

もんのすごーく、暇で
ラボに行ったところで追い出されるだけなのはわかってたから、そっちは避けてフラフラしてて

…そしたら、鍛練場から人が争ってる…みたいな声が聞こえて
しかもそれが
どうやっても聞き慣れてる二人の声で
ちょっと、扉をあけて覗き込んでみたら…、





京:『……レイプ、されたんだよあの子』





…こんな会話が聞こえてきた
…新、やっぱりレイラちゃんにまだ…
………あのとき、形だけでも新に協力するって言っておけば
……レイラちゃん、ひどい目に遭わずにすんでたのかな

葵:「……ごめんね、レイラちゃん」











葵:「…………全く…眠れなかった…」

…そりゃあんな話聞いちゃったあとだもん、気になったりどうしたりで中々寝付けなくなるのも当然と言えば当然、か…

はぁ…、

葵:「なんでこんなに…上手くいかないんだろうなぁ…。私に…なにか、」


出来ることって、ないのかな…


京:「おー、悪い子ちゃん起きてるぅー」

葵:「あ…京、」

うわ…どうしよ、なんか気まずい
…てゆうか

葵:「…悪い子ちゃんって…なに。」

京:「んー?絶対安静なのに病室抜け出しちゃうなんて悪い子ちゃん(ニッコリ」

葵:「う"Σえ、なんで知って、」

京:「さっき婦長と会って教えてもらったんですよーん。こっぴどく怒られたんだって?」

葵:「…そんな楽しそうに話さないでくれますかね、」

京:「てへっ、ごめーんね?」

葵:「かわいくないってば」

京:「…ねぇ知ってる?それ意外と傷つくんだよ、グサッとくるんだよ」

葵:「ま◯しばですか、似てないかわいくない。」

京:「もーなにさー、機嫌悪いなぁ、当たりの強さが過去最高だよ?どしたの?」

葵:「…婦長さん、あんなに怒らなくても…」

京:「何言ってるの怒られて当たり前だよキミまだいつ発作起きてもおかしくない状態なんだよ?にもかかわらず病室抜け出すとか言語道断。」

葵:「…笑顔が怖いです。」

…京って怒ると笑顔になるんだった
前に誰かに聞いた気がする

京:「……で、」

葵:「?」

京:「どこから聞いてたの?」

葵:「え?」

京:「昨日。鍛練場の前にいたでしょ?」

葵:「……!えっ、と……」

京:「あーごめんね、責めようって訳じゃないから大丈夫。怒ってもないから(苦笑)」

葵:「……おそ、われたって…」

京:「…やっぱりその辺からか」

葵:「…ごめんなさい」

京:「…なんで葵ちゃんが謝るの?」

葵:「…だって、そんなことになったの、きっと…」

京:「はいストップ。」

葵:「んぐっΣ」

ストップと言いながら、京は私の口を塞いだ
…なんだなんだ
なにがしたいんだろう

京:「葵ちゃんのせいじゃないから。私のせいとか言わないでね?」

葵:「!」

京:「君は悪くない。責められるようなことなにもしてないでしょ。」

葵:「…………。」

京:「ちゃんと、新とあったことだって俺に教えてくれた。最悪なことが起きないように考えて行動してくれた。そうでしょ?……だからね、」

ぽんっ

京:「大丈夫。葵ちゃんのせいじゃないよ。」

……優しい笑顔のまま、私の口を塞いでた手を外して頭を撫でた

葵:「………うん、」

京:「ん、」

ドキンッ……

あれ…まただ、なんだこれ
また…京に、

京:「…おーい、葵ちゃん?」

葵:「えっ、あ…なに?」

京:「どした?ぼーっとしちゃって…。どっか痛い?」

葵:「あ…んーん、なんでもない。へーき。」

京:「そ?じゃーいっこだけ俺からお願いしていーかな。」

葵:「…お願い?」

…なんなんだろう、改まって

京:「葵ちゃんなら大丈夫だと思うけど、昨日聞いた話…誰にも言わないであげて。勿論、レイラ自身にも。」

葵:「…当たり前だよ。絶対、言わない。はじめからそのつもりもなかったよ。」

京:「…そっか。」

葵:「…京ってほんと、レイラちゃん思いだよね」

京:「んー?そうかね?」

葵:「そうだよ。だってレイラちゃんのことす」

京:「好きだよー、ラブ、愛してる。」

葵:「…そこまで言われると最早気持ち悪いよ。」

京:「ははっ、愛してるってのは大袈裟かもしれないけども。…うん、好きよ。一人の女の子としてね。」

葵:「なのに…ラビたちのために一生懸命じゃない。」

京:「それは葵ちゃんだって同じでショー?ラビのこと好きなのに(苦笑)」

葵:「あー…うん、そう…だね(苦笑)」

京:「…でも」

葵:「…?」

京の、いつものほんわかとした空気が
一気に変わった
柔らかい、のほほんとした気の抜けた感じじゃなくて
…ものすごく、真面目な感じ

京:「…もう、我慢しなくていいと思うよ。」

葵:「え…?」

京:「なんとなく、わかっただろうけど…アイツはもう、記憶を取り戻してる。レイラのこと、ちゃんとわかってる。…それでもアイツは葵ちゃんを選んだ。」

葵:「…!」

京:「だから葵ちゃんも、もう遠慮とかしなくていいと思うよ。本気で、ラビにぶつかっていくべきだと思う。…俺ももう、やめた。」

葵:「え…やめたって…なにを、」

京:「二人のためにって…レイラが笑顔になれるならって、自分の気持ちは伝えずにここまで来てたけど…やめた。俺ももう、本気で行かせてもらう。本気で…レイラのこと奪いにいくよ。」

葵:「…!」

京:「…元々ね、そうゆう約束だったんだ。」
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