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□11.罠
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レ:「…はい、」

ポンッ

レ:「?」

ラ:「はい、プレゼントです。」

レ:「え…なんで?」

ラ:「ん?あ、ジェリーにお任せって言ったらウサギ型のモンばっかのセットにされて」

葵:「…ラビ、そうゆうのウサギセットとかって言うんじゃないかな、」

ラ:「そーなん?じゃウサギセットで。それにそのマスコットついてきたから、あげよーと思って。」

レ:「…なんで?」

ラ:「…え、あれ?ウサギ好きじゃなかったっけ?なんかそんな気がしたんだけど…ごめん、嫌だった?」

レ:「………。」

ラ:「…レイラちゃん?」

レ:「…あ、ううん!これ集めてたから嬉しい。ありがとう。」

ラ:「…そっか、よかったー…。…そのネックレス、」

レ:「…あ、これ?」

ラ:「そう。それもかわいいさ。ウサギのチャームついてて。いつもつけてるから、結構目について。」

レ:「…そっか、」

ラ:「よく似合ってるさ、センスいい。自分で買ったの?」

レ:「ううん、違うよ。……大切に人に、誕生日プレゼントで貰ったの。私の、宝物。」
葵:「…!」

ラ:「…それって例の、」

レ:「うん、私がずっと待ってる人。その人に、貰ったの。」

ラ:「そっか、」

レ:「…あ、じゃぁまた。」



京:「…コンプ?」

レ:「へ?あ、うん。これ、最後の一個。でもなんか…」

京:「ん?」

レ:「いいのかなーって…」

京:「…何でそう思うの?」

レ:「なんか…やっぱり私もらうべきじゃなかったかなーって、今になって…」

京:「葵ちゃんに対して遠慮してる?」

レ:「うーん…」

京:「本っ当にお人好しですな、レイラって」

レ:「うーさいっ。…本当、何でだろ。」

京:「なんでって?」

レ:「何で分かったのかな、私がウサギ好きって。」

京:「え、レイラが教えたんじゃないの?」

レ:「ううん、教えてないの。ウサギどころか動物の話しすらしたことないんだもん」

京:「んー…。…アイツ動物的なとこあるからなー…」

レ:「動物的?」
京:「うん。だからもしかしたら思い出し始めてるのかもね、こう…ラビの中で眠ってる本能みたいなものが」

レ:「ラビも似たようなこと言ってた」

京:「あ、ホント?」

レ:「うん」

京:「…じゃぁ案外早いかもしんないよ?全部ラビが思い出すの」

レ:「…………。」

『ジェリーさん、私ウサギセット!』

『またそれ食べるん?飽きねーなぁ(苦笑)』

『だっておいしいしかわいいんだもんっ、それにマスコット全種類集めたいし。』

『…そ。ジェリー、俺やっぱレイラと同じのにするさ。』

『え、』

『全種類集めんだろ?協力するさー。』

『………ラビがウサギセット?』

『え、変?女子っぽい?』

『いや、そうじゃなくて…』

『え、なんさ気になる』

『…………共食い。』

『てめっこんにゃろ。』

『きゃー!』


京:「レイラー?」

レ:「…あ、ごめん、考え事してた。……期待しても、いいのかな」

京:「ん?」

レ:「…思い出してくれるって、期待しても…いいのかな、」

京:「いいんじゃない?」

レ:「また、前みたいに…戻れるのかな、」
京:「戻れるよ、きっと。お前達が諦めなければね。はい、とうちゃーく。…大丈夫、きっと思い出すから、ラビは。」

レ:「だと良いなぁ(苦笑)」

京:「弱気はダーメ。」

レ:「む…、そんなんじゃないもん」

京:「ほーらまたそうやって強がる。」

レ:「う゛ぅ…っ」

京:「無理しないこと。いつも言ってるけど、我慢だけは絶対ダメだよ?いいね。ラビなら大丈夫、俺らがついてるし、協力だってするから。な?」

レ:「…うん、ありがと」

京:「よし、じゃーお休み。」

レ:「おやすみなさい、京ちゃん」




京:「…なーにカッコつけちゃってんの俺」

最近、風呂上がりはいつもこのこと考えてる
よくもまぁ言えたもんだよ、大丈夫ー、なんて

確かに、あいつがレイラを思い出すにはそう時間はかからないと思う
さっきレイラに言ったとおり
あいつの中に眠ってる本能が
少しずつでも、『なんかこのこと知ってるぞ』とか
『これ見たことあるぞ』、とか
そういう風に、感じ始めてるから
近いうち思い出すだろう

…そうなったら俺終わりじゃない?
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