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□三.嫌い
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「ん?なになに、ナイスタイミングって?てゆうかなーにしてんのこんな所で、めちゃめちゃ探したんですけど?」

「なにって…見ての通りだよ、捕まってんの。」

「何したの、盗み?」

「してねーよ馬鹿 」

「えー、じゃ何」

「……オイ、」

「あ、はいはーい、なんでしょう?」

「何でしょう、じゃねぇ。テメェ何者だ、どっから入ってきやがった」

「そんな風に睨まないでよー、怖い怖い」

「質問に答えろ」

「……噂通りだな、めちゃめちゃ威勢のいいおにーさんだ。ね、土方歳三くん?」

「!」

「……あ、何で分かるんだってびっくりしてる?とりあえず君の質問に答えるとー、俺は伏見涼助。ちゃーんと正面きって入ってきましたよー?…あ、でも見張りっぽい人には斬りかかって来たんでねんねしていただきました♪」

……うわぁやりやがった、やりやがったよコイツ

気絶させたんだ、気絶させて侵入してきたんだ

「伏見…?……!もしや貴方は、」

「どうしたんです近藤さん、知ってるんですか?この人のこと…」

「……慶喜公の側近だ」

「あ、ご名答ー。さすがは副長さん」

「「「「!!!」」」」

「相当腕がたつ方だと名前だけは聞いていたが…まさかこんなに若い方だったとは…。しかし、なぜここに?」

「側近って俺だけじゃなくてもう1人いるんですよねー、そっちの方がいつも慶喜公についてるんです。ボク結構気に入ってもらってるんで色々と我が儘許してもらえてて、自由に動けるんですー。」

「なるほど…。それで、」

「え?新八っつぁん、なに?何で近藤さん納得してんの?俺全然ついてけないんだけど…」

……そりゃ急に現れて話進めば訳もわかんなくなるだろうよ。

ここは俺が説明説明しておきますかね

「さっきから言ってたように、これは伏見涼助。」

「え、ちょっと涼夜、これはないでしょこれは、俺人だよ人。」

「慶喜公の側近でかなり気まぐれな自由人だから慶喜公の側にいないでぶらっぶらしてるんですよ。」

「ねぇ、無視なの?泣くよ?」

「泣け。」

「うわーんっ」

…ほんっとうに面倒くさい

「ここぞって時にしか公の場に出てこないんで、大抵の人間は『顔は知らないが名前と実力があることだけは知ってる』ってくらいの認識しかないんですよ。…ま、そんなんだから『本当は実在しないんじゃないか』なんて声も出てきてるみたいですけど。近藤さん、今俺が話したこと知ってたから納得したんじゃないですか?」

「…そういうことだ平助。…にしてもお前よく知ってるなぁ、」

「そりゃぁ…まぁ、」

「しくしくっ」

「…そろそろやめてくんないそのうそ泣き。」

「涼夜は俺のこと嫌いなんだーっ」

………イラッ

「あーはいはい、邪険に扱った俺が悪かった、悪かったからもういいでしょ泣き止め馬鹿」

「……涼夜ぁぁぁっ」

がばぁっ

「ぐぇっΣ」

……ほんっとウザイ

「…テメェらほんとにどうゆう関係なんだ?」

「へ?」

「…涼助暑苦しい邪魔離れろ」

「容赦ないねぇー。」

はぁ、やっと離れてくれた…

…かなり渋々ではあったけど

「涼夜は俺のい…」

「「「「い?」」」」

「……へ?いやいや、いじゃなくて弟、弟みたいな子で、ボクが面倒見てるんですー。」

…あ成る程、妹って言いそうになったわけだな

「え、」

俺と涼助意外のやつらが一斉に原田を見た

…まぁ、そうだろうね

「言ったでしょ、皆さんが見てる方とは血、繋がってませんし。兄弟とかって関係だったのはもう10年も前の話だって。」

「……、」

……空気重ー…、

「で…何で彼は捕まってるんです?そこのお嬢さんと一緒に。」

「え"っ(この人にも女ってはバレた…!)」

「あ、それとどーすんの涼夜、」

「どーすんのって何が?」

「何がってあの子だよ、カンカンに怒ってたけどこの間」

「…笑顔で言うのやめてくんない?どうもこうも…鬱陶しいなんかウザイんだもん」

「わーかっわいそー。」
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