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□5.壊れだした歯車
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ラ:「…で、またボート?俺酔うよ?俺ボート乗るとロクなことねぇんさ、酔うよ、絶対酔うよ?天気荒れるよ?」

日が昇って
任務に向けていざ出発!
…って思ったのに
…ねぇ、なんでまたボートなん?
俺酔っちゃったら元も子もなくね?
本領発揮できなくなんじゃん、ねぇちょっとどーしてくれんのバクちゃん

葵:「酔いやすい体質ってこと?じゃぁはい、これ酔い止め。結構効くよ?」

ラ:「おー!葵ってば気が利くさ、バクちゃんとは大違い…」

バク:「…………

あ、俺また睨まれてる

ラ:「こっえぇよバクちゃん、そんなんじゃいつまでたってもリナリーに好いて貰えねぇよ?」

……………ブチィッ

…あれ、
いつもとはまた違った音

葵:「…ラビさん?今回は…早く行った方がいいんじゃないかな?支部長いつも以上に機嫌悪そうだよ…」

ラ:「…うん、そうさね、行くわ。酔い止めサンキュ!また任務地着いたら連絡入れるってバクちゃん正気に戻ったら言っといて。」

葵:「りょーかい(苦笑)気をつけてね、本部で待ってる彼女さんのためにもラビ自身のためにも、それ以上怪我しないこと!」

ラ:「…わかってるさ。じゃーな!」
葵:「行ってらっしゃ「待たんかラビー!!」」

…おっと
この人何とかしなきゃ…

葵:「あーちょっと支部長!!落ち着いて下さい危ないですって、落ちますよ?かなづちだから泳げないでしょあなた」

バク:「Σ………。」

…あ、諦めた
しぶしぶだけど諦めた

バク:「…ラビから連絡が来たら、お前も支部長室に来い。その時にまた呼ぶ。」

葵:「え、私もですか?」

…なんでだ?

バク:「…本部に行く前にラビの実力を知っておくのもいいだろうと思ってな。」

葵:「あぁ…そうゆうことですか、はい。了解でーす…。じゃぁ取りあえず私仕事に戻ってますね。」

バク:「あぁ、また呼ぶ。」





ラ:「…着いた。ってか薬飲まんでも酔わんかった…」

…やっぱりこの間のは悪天候が原因だったんさねー、うん、多分帰りも大丈夫そうさ

ラ:「あー、バクちゃんに連絡いれんだっけか。」



ラ:「…あ、バクちゃん?取りあえず指定されたポイントに着いたさ。」

バク:『だからバク・チャンだ、何度同じことを言わせるつもりなんだ貴様は。』

ラ:「いーじゃんバクちゃんでー、ニックネームさニックネーム!」

バク:『はぁぁ…もう知らん、好きにしろ。』

フッ、勝った

ラ:「んで?どーすりゃいい?今んとこらしきもんは見つかってねんだけど…」

バク:『あぁ、それなんだがな、』

葵:『支部長!遅くなりました、書類の仕上げしてたら思った以上に時間かかっちゃって…』

ラ:「あり?葵もいんの?」

葵:『あぁ、うん。無事に着いたみたいだね。』

ラ:「おー、酔ってねぇから本調子さぁ。んで今バクちゃんに指示仰いでるとこー」

葵:『そっか、』

バク:『そこから何か聞こえないか?』

ラ:「え、なにかって言われても…」

意外に人いるから雑音とかでよく…

ザー…

…あ

ラ:「水の音っぽいのが…かすかだけど聞こえるさ。」

バク:『恐らくそれだろう。音のする方向に向かってくれ。』

ラ:「音のする方向ね、了解。」



バク:「…よし。映像記憶ゴーレムを起動させてくれ」

葵:「あ、はい。…………はい、映りました。」

バク:「…なんだ、これは…」

モニターにラビのいる場所の映像が映ってはいるものの

葵:「…霧が濃すぎてよく見えませんね…。」

イノセンスの影響ってここまで及ぶこともあるんだ…

ラ:『けっこー音が近くなってる感じはすんだけど…なんか霧が濃くてよくわかんねぇさ。あ、でも…』

バク:「どうした?」

ラ:『俺って天才かも…。たぶん見つけちゃったさー、バークちゃん♪』

バク:「…こっちからは霧が濃くて確認できん、お前の姿をとらえるのがギリギリだ。」

ラ:『お、奇遇さねー、俺もギリ見えるか見えないかくらいなんで…いっちょ行きますかね。』

葵:「え?」

なにそれ、どうゆうことだ
…イノセンス使うってこと?
確か…ラビ一人だけが自然を操ることが出来るイノセンスを持ってるって聞いたけど
どうするんだろ?

モニターを見てたら、慣れた手つきでホルダーから何かを出した
…なんだろう

葵:「小さい…槌?みたいな…。」

え、あれがイノセンスなの?
…ふざけてるんじゃないだろうな、あんな小さいのでどうやってアクマと戦うって言うんだ

ラ:『大槌小槌…満、満、満!』

葵:「え!?」

ちょ、なんだあれ
かけ声で槌がおっきくなってるんですけど…!!

ラ:『伸、伸、伸…んでもいっちょ伸ー!』

今度は柄の部分が伸びた…
というか
…心なしかあの人楽しそうに見えるんですけど

バク:「…驚くならこれからだ、よく見ておけ」

葵:「へ?」
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