memory

□9.涙
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京:「ラービーくん」

ラ:「…京」

京:「こんなとこで何してんの、ぼーっと突っ立って」

ラ:「感傷に浸ってるんさ、邪魔すんなー。」

京:「わ、何その言い草、気にくわない子だねー相変わらず」

ラ:「はぁ?それより葵見なかった?」

京:「残念見てませーん。そして俺もその葵ちゃんを探しているのですよー」

ラ:「は?なんで」

京:「なんでって言われても…。お仕事だからだよ普通に。正直俺仕事以外であの子に用ないしね」

ラ:「え、仕事ってなんさ、お前科学班っしょ?」

京:「そうですよー、俺葵ちゃんの教育係り的なもんに任命されちゃったの。(面倒なことに。)」

ラ:「最後のいらん、かっこって言うくらいなら最初から口に出すなっつの」

京:「あれ、俺口にで「出ーてーたー」」

京:「…てへっ」

ラ:「キモイ」

京:「うわ即答」

ラ:「てか教育係りって…あ、葵科学班だったか」

京:「そんなすぐ話戻すなよ、俺泣くよ?あの子かなり優秀だからね、俺のいるリーバー班長の班に所属が決まったんだよ、でも班長さー、ご存じの通り科学班の仕事+コムイのお守りもあって倍多忙だからね、比較的にヒマな俺にこの仕事が回ってきたの。(めんど「言うなっつの」」
京:「ぶー…。」

ラ:「かわいくねー」

京:「…………。あーあ、ラビも知らないのかー、一緒にいると思ったんだけどなー…」


一緒にいなくて悪かったな、今それどころじゃねーんさこっちは

『どうして…どうしてそんな酷いことあの子に言うの!?何でよ…何で…!?酷い…サイテーだよラビ!!』

…なんで、酷いなんて言ったんさ?
俺変なこと言った?
そんなつもりないし
俺は多分、間違ってない


……そう、思うのに
なぜかモヤモヤする
正しいと思って言ったことなのに
なんというか


―――俺自身が、傷ついてる…みたいな


なんでだ?
なんで、こんな…
もしかすると、俺の欠落している記憶と関係があるんだろうか
あの子が
…レイラちゃんが、関係してるんだろうか

でも彼女は自分で新入りだって言ってたさ

その場にいた京達も否定しなかった
だから恐らく、彼女の言ってることは本当なんだろうが
…なんか、引っかかる


京:「おーいラビー」

ラ:「…あぁ、なんさ?」

京:「今自分の世界入ってた?」

ラ:「………ぉぅ。」

京:「…………あー。」

なんさその『あー』って
なんさそのニヤケた顔


京:「…お前葵ちゃんとなんかあったろ、そんでそのまま葵ちゃんどっか行っちまったってとこだろ」

ラ:「……………。」

京:「へぇ図星か、ダサッ」

ラ:「最後の一言は余計さっ」

京:「まー俺に言わせればおまえ達がケンカしよーが何しよーが関係ないんだけどね、いいんだけどね?」

ラ:「…なんだよ、ハッキリ言えよ」

京:「一個違うこと質問していい?」

ラ:「…何?」

京:「俺とした約束、覚えてる?」

ラ:「……………?」

京:「あー、やっぱり覚えてないか。ま、仕方ないっちゃ仕方ないんだけどさ!…そろそろ俺もガツガツ行こうと思ってマス。」

ラ:「……は?ガツガツ?なんさそれ」

京:「知りたいなら早く思い出せ、全部な。俺はまだ諦めてない訳だし?遠慮もしないつもりなんで頑張って早く思い出してね〜。じゃなきゃ知らないよー?俺にとられちゃっても。おれって結構手強いからー♪んじゃ、バイバイ。」

ラ:「は!?あ、おい!!」

なんさ、思い出せって
諦めるとか、遠慮とか
本当に意味がわからない

俺には京と交わした約束があって
俺はそれを覚えてない
…ということは、つまり
その約束も、俺から欠落した記憶と
何か関係があるってことなんだろうか?

ラ:「………どうすりゃいいんさ、俺…。」






ソ:「…本気?」

京:「ぉわっΣびっっくりしたなぁ…!いたの?」

ソ:「飯食って暇だったから散歩してたら京とラビが話してた。」

京:「…盗み聞きなんて悪シュ「不可抗力。」」

京:「うん、だよね。」

ソ:「で?本気なの、遠慮しないとか。」

京:「あー、それねー…。半分本気。」

ソ:「半分?」

京:「うん、半分。あれくらいのこと言っとけば思い出すかなーと思って。」

ソ:「……無理だろ」

京:「だよね、分かっちゃいてもじっとしてらんなかったのよ俺も(苦笑)あーそだそだ、お前葵ちゃん見てない?」

ソ:「…あぁ、レイラの部屋でお話中。」
京:「………え。よく止めなかったね」

ソ:「レイラが大丈夫だって言うから」

京:「…そっか」

ソ:「早く行けよ、もう話終わるかもよ?」

京:「あぁ、ありがとな」








『あ…、うん、分かってる。レイラちゃんは嫌味とかそう言うの、言うような子じゃないと思うから。』

レ:「うん、ありがと」
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