時間を止めて

□秘密
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LAY side



クリスヒョンとコーヒーを飲みに行って、その後寮に戻ると少しして今にも泣き出しそうだった空が遂に辺りを取り込んだ。
大粒の雨が地面に叩きつけるように降っている。
その景色をミンソギヒョンが物憂げに眺めているのが気になって、僕はヒョンの向かいに腰掛けた。
LY「ミンソギヒョン、どうしたんです?何か考えごとですか?」
ミンソギヒョンは曖昧な返事をして、初めは心ここにあらずといった感じだったのだけれど、僕からまた窓の外に視線を戻して口を開いた。
XM「…それがさ、、タオがまだ戻らないんだ」
LY「え、タオ何処に行ったんですか?」
僕が尋ねれば、ミンソギヒョンは分からないと落ち込んだように言った。
XM「タオ、傘持ってなかったんだよ。…濡れてないといいけど」
心配そうに言うミンソギヒョンに、僕は何だか嫌な予感がするとは言えずに頷いた。
LY「…そう、ですね」
~
そうしているうちに、ルハニヒョンと、セフナも戻って来た。
LH「あーーぁ、もう最悪だ」
SH「雨何なの一体?ありえないんだけど!!」
2人の様子に僕とミンソギヒョンは顔を見合わせて苦笑する。
その時、玄関の方からジョンスヒョンの声が聞こえた。
DO「うわっ、お前どーしたんだよ!?ったく、早くお風呂行きなさい!」
ミンソギヒョンがピューッと走って玄関に向かった。それを追いかけていくと思ったとおり、玄関に立っていたのはずぶ濡れのタオだった。
XM「タオ!」
TO「…ミンソギヒョン」
雨に濡れているからなのか、心なしかタオの顔色が悪い様に感じる。いつも、割とゆっくりとした喋り方をするタオだけど、今はもう疲れて眠いっ感じだ。
XM「お前どこ行って…」
TO「ごめんなさい。ちょっとブラブラしてたら雨降って来たから」
タオの目が何も写してない。
思わずタオに手を伸ばす。
LY「タオ、大丈夫?」
__パンッ!
XM「え…」
LY「…タオ?」
突然の事で全く状況が理解出来なくて僕とミンソギヒョンは固まってしまった。
TO「…あ、ご、ごめんなさいっ」
僕が伸ばした手は、タオに払い除けられてしまった。怯えた表情のタオに僕はどうしていいのか分からない。
XM「イーシン、先に部屋戻ってなよ」
ミンソギヒョンは僕にそう促した。僕はヒョンに頷いて、部屋に足を向かわせた。
僕よりも、一番上の兄さんの方が何倍も何倍も頼もしくて、きっとタオの暗い表情を変えてあげられるから。
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