時間を止めて

□秘密
1ページ/9ページ


KAI side



その日は午前中の12人でのダンスレッスンが終わると、午後からはそれぞれが久々の休息を好きなように過ごす事になっていた。
ルハニヒョンはセフナと買い物。
ベクヒョン、ジョンデヒョン、チャニョリヒョン、ギョンスヒョンの4人は数日前に始まった映画を観に行って。
イシンヒョンとクリスヒョンはといえば、コーヒーの美味い店がオープンしたとかで2人して颯爽と練習室を出て行った。
結局、残ったのは特に予定のなかったミンソギヒョンとジュンミョニヒョン、俺とタオの4人だけだった。
最初は他愛も無い話をしてふざけあっていたけど、世間話なんかをしているうちに時刻は午後4時を廻る頃になった。
SH「さーてと、そろそろ上がるか」
ジュンミョニヒョンが伸びをしながら言って、俺達はそれぞれ帰る支度を始めた。
ミンソギヒョンの隣で着替えていたタオがパンダのぬいぐるみをカバンにしまった直後、タオのケータイが音をたてた。
TO「…はい」
特に気にも止めず、俺はシューズの紐を丁寧に解いた。
ほんの少しの会話でタオは通話を終えると、黙って着替えを再開し、お気に入りのパンダのピアスを外して、代わりに見たことの無いシンプルはデザインのピアスを付けた。
TO「ミンソギヒョン、僕、上がります。先に。」
そう、まだ得意ではない韓国語で言った。
XM「そお?お疲れさまー」
ミンソギヒョンは瞳をくりくりさせて不思議そうに頷いた。
ジュンミョニヒョンもポカーンとしている。
タオが練習室を出る時、一瞬目が合った気がしたけど、タオの瞳には全く何も写っていなかった。
ただ、深い湖の底みたいに暗く沈んでいた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ