ナマモノ小説
□ON & OFF
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収録が終わった楽屋でゆったりくつろぐ2人。
不意にソファーに座った光一が、弾んだ声で剛を呼んだ。
「なあ、なあ…剛、ちょお来てくれへん?」
早よ、早よ…と、光一が手招きをする。
なんか…イヤな予感すんな…。
嬉しそうな光一とは裏腹に、剛は、些か眉を潜めながらゆっくり、ゆっくり慎重に近づいた。
「…なんよ」
「ここ。ここ座って」
「ここて…」
剛は呆れた顔で光一を見た。
何故なら
光一がここ、ここ、と指差しているのは膝の上で、それこそWelcomeと云わんばかりに、両脚を広げて待っているのだ。
「ここっ!?」
「そや」
光一がこれまた嬉しそうに膝の上をパムパム叩く。
剛は困惑で立ち尽くしてしまった。
いい歳をしたオトコが、オトコの膝の上に座るなど、どう考えてもおかしいし、恥ずかしい。
「…あほか」
剛がくるりと背を向け、もとの場所に戻ろうと脚を一歩踏み出したその時だった。
光一はグイッと剛の腰を掴み、無理矢理剛を膝の上に乗せたのだった。
「なっ…なに…?」
「まったく…何ちゅう格好してんねん。幼児か、おまえは」
そう、この日の剛の格好は、とても37のオトコには見えなかった。
髪は二つに結って、ベレー帽。ゆるめのカットソーに丈の短いショートパンツ。何故か、片方だけのサスペンダー。
なんやこの格好…。
どないしたんや。
普通、いや、大抵、いい歳のオトコがそのような格好をしていたらまわりの者はドン引きなのだが…如何せん剛なのだ。
そう、剛だから。
剛故に。
光一の目には、「幼児化したつおしくん」にしか見えない。
心臓が跳ね上がる。
おい、おい…あかんで。可愛い過ぎるやろ〜っっ…!!
収録中だというのも忘れ、背後から見える可愛い二つ結いを、幾度もガン見してしまう光一だった。
「こんな短いパンツはいて…」
太ももをサワサワと撫でられ、剛はひえぇぇ〜っ!!と仰け反った。
「なにすんねん…!!」
「なにて…。しゃあないやん。目の前におまえのぷりぷりした尻と太ももがあんねんから。触りたいけど触られへん。地獄や。理性と欲望の狭間で俺は、めっちゃ苦しんだんや。責任とってくれ」
言うなり光一は、太ももを撫でていた手を、いきなりパンツの中に突っ込んだ。
「ひ…っ…!」
「あれぇ?つよしくん見た目幼児やのに、ココはえらい大人やねぇ」
「誰が…幼児やっ!!触んなっ!!」
よちよち…と、あやすように股間を撫でられ、忽ちソコへと集中する熱に剛は焦った。