ナマモノ小説
□カナシミブルー
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「俺の…アホ…」
なんで言うてしもたんやろ…。
ずっと…ずっと…胸の奥に隠していた、秘めた想い。
口にするつもり等毛頭なかったのだ。
こんな風に、2人の間柄が歪むのがコワくて…、光一の前ではせつない吐息をひた隠していたというのに。
期待なんかしてへんかった。
カッコいい光一が自分とコンビ組んでる、ソレだけで嬉しかったのに…。
なんで欲出してしもたんやろ…。
涙があとからあとから溢れ出す。
戻せない時に…視界が歪み、取り消せない言葉に唇を噛む。
「好きや…光一が好き…」
うっかり口から滑り出た声。
悔しくて、苦しくて、自分の両手で視界を遮った。
光一の優しい手を想いながら…。