ブラコン少女×シスコン少年

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19:少女と姉


名無しさんは秋人を探して屋上に辿り着き、そこで目にしたのは秋人が血だらけで倒れていた。

「!?…………」

「あ、姉貴………!?」

倒れている秋人の横にそっと立つ。名無しさんの瞳には光は宿っていなく、秋人は初めて見る名無しさんの表情に目を見開いた。

「ねぇ秋人……誰が秋人をここまで傷付けたの?」

言葉にも感情は無く淡々と言葉を吐き秋人を見下ろす。

「……姉貴?……どうしたんだ。僕は大丈「ねぇ、そこの女?」――!?」

そう言って名無しさんは向かいに立っている少女に目を向けた。

「あなたも、この人の仲間ですよね」

「仲間?仲間じゃない…姉よ。」

「そうですか、でも…あなたも私が――「君!早く逃げて!!」――!?」

秋人は少女に叫ぶ、少女はハッと名無しさんがいない事に気づく。すると少女の後ろから名無しさんの回し蹴りが当たりかけたがぎりぎりで避けた。

「チッ………」

「姉貴!やめろっ!!」

「………秋人を傷付けた…許さない」

名無しさんの攻撃を交わすことしかできないぐらい少女は押されていた。

「ッ!………なんなんです!あなたとは全く違う!」

「僕と違って、姉貴は戦えるんだ!!」

「不愉快です!!そんなこと聞いてません!」

「馴れ馴れしく秋人と関わるな。あんたはあたしが殺す」

片方の手の甲には模様が浮かび上がる。

「妖夢……っ!?きゃっ」

少女を組み敷き首に鋭く伸びた爪先を向ける。

「ッ……やめろ!ダメだ、殺すな!姉貴ッ!!」

秋人の声が全く反応しない名無しさんはもう、自分の意識が無い状態になっていた。

「ふふ、秋人を傷付けたから殺して当然よね。いや、あたしがそうしないと気が済まないの。秋人は誰にも傷付けさせないと守ってきたのに…。油断した……でもまぁいいわ。さあ、後悔しなさい傷付けてしまった事を―――「やめろおおおお!!」」

少女は目を瞑って死を覚悟した。
すると名無しさんを誰かが攻撃し少女から離れさせる。秋人が目にしたのは見覚えのあるマフラーだった。


「そこまでだ」


マフラーを巻きなおし博臣は名無しさんのまわりに檻を張る。


「アッキー、早く彼女を連れて逃げるんだ」

「ああ、…っ!!」

起き上がり、秋人は彼女の手を取ると屋上を駆け降りた。
それを見た名無しさんは檻の中で暴れだす。博臣は名無しさんに近づく

「落ち着け」

「ここから出せ!!あたしの大事な秋人を傷付けた…殺す」

――ダンッ

名無しさんは檻を叩く。

「出すわけにはいかない…。落ち着くんだ。」

「出せ!!―――」

博臣の話す言葉も聞く耳を持たず、必死に檻から出ようと暴れ、妖夢化が進み始め顔にも模様が浮かび上がる。

「あああああッ!!!…殺す。みんな……――」

「くッ……名無しさんッ!!」

檻が破れ、名無しさんの力が強くなる。博臣にもこれはさすがに敵わなかった。そして、檻は破れその中から出てきた名無しさんは殺気立っており、今にも誰でも殺しそうな勢いだった。

「………名無しさん」

「お前の所為で……秋人の居場所が…あの女の居場所が…」

博臣に近づき鋭い爪を首に向ける。

「!?………お前の気が済むのなら俺を殺せ」

「ふっ……じゃあ、お前かr――――」

名無しさんはそのまま博臣に倒れる。瞬時にそれを支えるが博臣にも何が起こったのか分らなかった。

「!?……名無しさん?名無しさんッ!!」

「……――――」

「大丈夫、少し眠らせただけや――」

「!?―――彩華さん」





そこに現れたのは新堂彩華だった―――。












つづく
―――――――――――――――
彩華さんの関西弁が京都弁かわからーん。喋り方難しいwwww
九州地方は分るんだけどね。関西らへんは全くわからん。←
使い方とか違うと思うけど、広い心で読んでやってください。一言しかしゃべってないけどww
姉貴さん。博臣でも敵わかったな!秋人の事になると我を忘れる姉貴でした。
2014.01.03

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