ココロ

□1. 旅の知らせは突然に
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ふと目を覚まし、自分が眠ってしまっていた事に気がつく。


のぼせる前にお風呂から出ないと…あれ?


何故か自分の手がお風呂の底ではなく、ヒヤリとしたコンクリートにあたった。

不思議に思い、周りを見回すと、どうやら私はビルに囲まれているところにいるみたいだ。右の方からの賑やかな音がきこえる。

一瞬全裸なんじゃないかと焦ったけれど大丈夫で安心した。

ここは通りから少し外れたところなのかな?

キョロキョロと辺りを見回しながらそう思案し、先程確認した自分の姿をもう一度見てみるとなぜか全く身に覚えのない服に身を包まれていた。
襟のところにレースがついた紺地に白い水玉の服、その上に白いレースのラインがついた灰色のパーカー。
そして、ふわふわのキュロットを履いている。
靴は茶色がベースで中央に黒いおしゃれな模様が入っていて、左右には金の飾りがついているロングブーツを履いていた。
何となくポケットを探ってみたけれど、何も入ってはいなかった。


なんというか…好みだ。


「なにこれ…可愛い…
いつのまに変わったんだろう?」


シンプルながらも控えめな可愛さのある自分の服装をみて1人ドキドキしていると、こつこつと足音が近づいて来ている気がした。
少し我に返り、状況を把握しようと立ち上がる。


「おい、お前。そこでなにをしてる?」


頭上からの声に顔を上げると、私は6人の男達に囲まれていた。
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