非日常のとビら
□0日目 非日常の訪れ
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1人暮らしの私の家に突然不審者が現れました。
……時は少し前に遡ります。
「明日も学校か…なんか憂鬱だな…」
ノロノロと明日の準備をしながらはぁ、とため息をつく。
最近なにも楽しいことがない。
学校に行って帰ってきたらゲームして寝ての繰り返し。
たまにはいつもと違うことが起こらないかなと思うのも仕方ないだろう。
明日の準備を終わらせるとベッドにダイブして近くにあったぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
課題はもう終わらせたしあとは寝るだけだし何をしようか。今日も今日とてゲームをして寝ての繰り返しになるのだろう。
ちょっとだけ日常の刺激になる、不思議な事があればなあ。
今思えば、そんな心の声が、いわゆるフリ、になってしまったのかもしれない。
「ここは何処だ?」
自宅という安心できるパーソナルな空間で突然知らない声が聞こえるのはこんなに怖いものだとは知らなかった。
びっくりして飛び上がると、目の前に扉が現れており、中から奇抜なファッションの人が出てきた。
全然状況が飲み込めないと人間は完全に動作を停止してしまうらしい。
何も出来ないままよく分からない扉を凝視していると見えてるような
「クロロの念でしょ。オレまだ仕事があるんだけど」
「俺はただ異世界にいける能力と聞いて面白そうだから盗って来てそれを試しただけだ。そこの扉から帰ることが出来るから問題ない」
「へぇ、ここ異世界なんだ♦全く実感ないね♥」
私をおいてけぼりにしてよくわからない話をしている。
私は意を決して話しかけてみることにした。
「あ、あの…どちら様ですか?」
「誰?殺す?」
髪の長い綺麗なおにいさんが針らしきものを構える。
突然現れたのはそっちのくせにどうしてそうなる!
「いや、いい。それより、ここは何処だ?」
「私の家ですけ」
「そうじゃない。国名だ」
「日本です」
「日本?聞いたことないな。少し聞くが、幻影旅団って知っているか?」
この人たちは変なことを聞く。国名を聞いてどうするんだ。
それに幻影旅団?なにそれ?この人団長って呼ばれてたし、なんかのサーカス団なのかな?ピエロ的なのいるし。
と、少し考えこんでいると…
「本当にここは異世界のようだな。面白い。しばらくここに邪魔させてもらおう。いいな?」
「え?」
いきなり出てきて、名前を名乗らずここにいるってなんて図々しい。
しかもいいな?って聞いておきながら拒否権はないぞみたいな顔してるじゃないか。
「いや、あの…あなた達は何者なんですか?」
「ああ、まだ名乗っていなかったな。俺は幻影旅団団長、クロロ=ルシルフルだ」
「ボクはヒソカ♦」
「イルミ=ゾルディックだよ。暗殺者の」
「…フェイタンね」
なんか物騒なワードが聞こえたような気がする。えっ、暗殺者?
「は、はぁ。えっと、私はナヤマココナです。あの、大変不躾ながらクロロさん達に聞きたいことがいろいろあるんですけど…」
ここにいるいない以前に聞きたいことが山ほどある。
カメラが見当たらないところからどうやらドッキリではないみたいだ。
「その前にそのくどい敬語をやめろ。ナヤマが名前か?」
「殺さないなら…」
失礼な真似してさっくり殺されたら笑えない。
「じゃあ敬語を使ったら殺すってどうだい?」
「わかりました。ではつかいまって待って!使わない!」
黒ずくめで突然現れたこの4人の中で1番小さい人が喜々としながらこちらに向かってくるのを必死で止めた。
あとこっちの文化では名前を後に言うことも伝えた。