非日常のとビら
□12日目 騙された@
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「最近ずっと家にいるけど、学校は?」
ゲームをしていた私のヘッドホン外してイルミがそう聞いてくる。
私は画面から目を離さずに「長期休みだよ。しばらく学校はないの」と答える。
「ふーん。じゃあしばらく家を開けても大丈夫なんだね」
「待ってそれどういうこと」
どうも嫌な予感がする。
こういう時は大体私の意志を無視した謎の計画が動いていたりするからだ。
「ココナ、旅行しようよ。オレとヒソカもいるよ。たまには外に出た方が健康的でいいでしょ?」
「ココナなら乗ってくれると思って実はもう申し込んであるんだ」なんて言ってくる。
旅行なんてずっと行っていない。
子供1人で旅行なんて考えたこともなかった。
「ちょっと行きたいかな。でもそれ本当に旅行?」
素敵な誘いには裏があるものだ。
なんだかこいつが信じられない。
「やだなぁ、何を疑ってるの?なかなか人気でたどり着けない人も多いんだよ?それにオレ達が付いてるから絶対安全だよ」
「イルミとヒソカがいるから安全って何。殺されたりするの?嫌なんだけど。嫌な予感しかしないんだけど」
ガードがかたいなぁなんて困った様子のイルミを見るとなんだか申し訳なくなってきた。
折角の好意を無駄にするのは申し訳ない。
「わ、わかったよ。最低限の荷物でいいんでしょ」
PCの電源を落として首にかけていたヘッドホンを置くと椅子から立ち上がる。
バッグはリュックでいいかな。
「良かった。出発は明日の朝でいい?実は明日の予定なんだよね」
「はぁ?」
出ました。前日に言うやつ。
「期間は大体2週間くらいかな」
「なっげえ!」
2週間滞在の荷物…最低限?何するの?怖い。
「わ、私怖いんだけど…」
じり、じり、と思わず後ずさる。
なんだろうやっぱり怖い。能面男とピエロが関わっている時点でやっぱりだいぶ嫌な予感がする。
「大丈夫だって。そんなにオレの事が信用できない?」
「できない」
「即答かぁ…それなら」
「おやすみ、ココナ」
その言葉を最後に私の意識はぷつんと切れた。