ココロ

□4. 1番目に会いたくなかった!!
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疲れていたせいか私は9時半に起床した。

とりあえず昨日洗って干しておいた服を着、魔法陣を使おうとして重大なことに気づいた。

私の能力は知っているところじゃないといけないのだ。

服屋なんか見たこともないよ。
なんで気づかなかったんだ。


妖精に謝ってしまったことを心から悔いて受付に向かう。


「ねぇ、お姉さん近くに服屋さんってある?服買いに行きたいんだけど…」

「服屋さんですか?ああ、闘技場を出たらありますよ」


妖精とは違い、快く教えてくれたお姉さんに心から感謝する。


「本当!ありがとうお姉さん!」


お礼を言うと、教えて貰った通りの道を辿って服屋に向う。

道中で攻撃出来る技…というか全然能力を持ってないことに気がつき、困ることがないようにナイフも買うことにした。
小さな足掻きにも思えるけど。


汚れても目立たないよう、黒を基調とした服を探し、動いても邪魔にならないような袖口にゴムの入っているかわいい服GETすることが出来た。次はナイフだね。


そう意気込んで探しに行ったが、なかなか良さそうなものが見つからず、ナイフを探すのに時間がかかったが無事手に入った。


せっかくナイフ買ったんだし、技を考えよう!


太ももにホルダーをつけてナイフを入れておく。
危なくないように刃にカバーを付けようとした瞬間に何故か妖精が出てきて指を切ってしまった。


「あれ?ナイフ使ってたんですか?ごめんなさいね」


そう言う妖精はこれでよし、と呟いている。

何がよしだ。クソ妖精。


「何しにきたの…」

「貴女が困っていないかわざわざ優しいわたくしが見にきてあげたのですが…タイミングが悪かったようですね」


絶対仕組んだな…このクソ妖精!
今まで助けてもくれなかったくせに。


「何がタイミングが悪かったようですね。だよ…絶対仕組んででしょ?めっちゃ痛いし!」


切れてしまった指は鋭い痛みを私に伝えてくる。


「仕組んでるわけないじゃんない。わたくしそんな暇ではなくってよ。もっとその脳みそ有効活用した方がいいと思いますわ…それだけ元気なら大丈夫ですよ。それじゃあ御機嫌よう。さようなら」


空間に溶けていった妖精に対して今度来た時には羽もぎ取ってやる。と心の中で悪態をつく。


私の中指には赤い線がスッと入っている。中指の肉の繊維に逆らって入っているこの線からは赤いものがにじみ出ていてとても痛い。


今日は試合もあるのにあいつはなんてことをしてくれたんだ。
切り傷は傷口がぱっくりと開いてしまったらとても痛いからなるべく動かさないようにしなければいけない。


ああ、そうか!治癒ができる技を作ればいいんだ。


具現化しやすいようになるべく身近なものがいいと思い周囲を見回すと、絆創膏が目に入った。
ありきたりだけどコレでいいかな。なんて思いながらそれを手に取る。
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