ココロ
□22. もはや私の試験になってない
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さらさらと水の流れる音が聞こえる…
まだ眠くて目を閉じたままぼーっとしていると、「ヒカルさん!」と慌てたような声が聞こた。
「なに…どうしたの…」
話すことも億劫だったが、そうギルに問いかける。
「はぁ、目を開ければわかりますよ」
そんな深いため息なんてつかなくてもいいじゃないかと思いながらも言われた通りに目を開けると、私のすぐ隣には、川が流れていた。
「あぁ、どうりで川の音が近かったわけだ…」
そうしてじゃぽんっと川に顔を突っ込む。
冷たくてきもちがいい。ギルならタオルを持ってきてくれるだろうし問題ない。
「ちょっと何してるんですか」
「えっ、目を覚まそうとしてる」
ざぱっとギルに引き上げられて昨日眠った位置に戻された。
「ギルおはよー」
何もなかったかのようにギルにへにゃっと微笑む。
「川に顔を突っ込んでも寝ぼけていられるんですか。少し目を離すとこうなんですから…」
タオルで私の髪を拭きながら呆れたように言う。
やっぱりギルなら拭いてくれると思ったよ。
「ギルは何してたの?」
「昨日ここに来る時に果物を見つけてので朝ごはんにフルーツでも食べてもらおうと取りに行って戻ってきたらヒカルさんが川の近くで寝てたんです」
そう言った後に、「しっかりしてください」と付け足された。
「なんかデジャヴを感じるな…」
「あなたの場合はデジャヴではないと思うんですが…」
「目が覚めたらなんか少し食べたいな」
「ではさっき取った果物でも食べますか?」
そう言ってギルがくれた果物はキウイみたいな形のやつとオレンジみたいな形のものを出してくれた。
味は普通にキウイとオレンジだった。もしかしたらキウイとオレンジだったのかもね。