GS トリップ1

□遊園地リベンジ
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案の定、大差で瑛君に勝った。

「負けた・・・
・・・お化け 屋敷か・・」

青い顔でガックリしている瑛君を見てたら可哀想になって

「じゃあ、行こうか?
アイスランド」

「え?お化け屋敷じゃなくて良いのか?」

「いいよ。それともメリーゴーランドにしようか?羽学プリンスさん」

「こら、その呼び名、冗談でもやめろ」

急に元気になってチョップの構えで迫ってくる。

「じゃあ、-40度の世界へレッツゴー」

寒いのも苦手だもんね。罰ゲームはこれにしておこう。

「-40度ってマジかよ」

-40度は入った直後は夏の暑い世界からなので気持ちよかったけど、すぐに寒くなって中の展示は見れなかった。

そして-40度の世界から出た直後は夏の暑い日差しが心地良かった。


「じゃあ、次は観覧車!」

「いいよ。行こう」

瑛君が驚く程、素直に同意した。

「海がきれい・・・」

思わずつぶやいた。

「ああ、こうやってチンタラした感じも良いな。景色をゆっくり見れる」

2人で景色に見入っているうちに地上についてしまった。


「ね、ナイトパレード、見て行かない?
私、ナイトパレードを見たくて誘ったんだ」

「ああ、良いな。俺も誘おうと思っていたんだ」

2人並んで光のパレードを見つめる。

「きれい、いつまでも見ていたいね」

「ああ、本当だ。俺も同じこと言おうと思っていた」

ナイトパレードが終わったから帰る事にした。

「なあ、もう随分遅いけど大丈夫か?」

「前にも言ったけど、私1人暮らしだよ?
怒るような人いません」

「あ・・ああ、そうだったよな。うん」

そんな事話しながらアパートの前まで歩いてきた。

「送ってくれて、ありがと」

そう言って別れようとした時、アパートから1人の若い男の人が出てきた。何度か会った事があるからきっと住人なんだろう。

「あれ?君、お隣さんだよね?
1人暮らしの じょしこーせー」
そう言ってにやりと笑って去って行った。

瑛君はため息をつきながら

「ドアの前まで送る。これからもドアの前まで送るからな」

その言葉に私は小さく頷いた。

別れ際
「良いか、絶対にドア開けるなよ。何かあったら電話して来いよ」

「瑛君、過保護なお父さんみたいだよ」

思わず笑ってしまった。



「ゆかりの事が心配なんだよ」
小さく呟いた、その声は私の耳には届かなかった。
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