GS トリップ1
□すれ違い
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気が付けば、私がこの世界に来て1年が過ぎた。
そして今日はクラス発表の日。
ドキドキしながら見に行くと瑛君にあかりちゃん、そしてハリーが同じクラスだった。
嬉しい気分で教室へ入ると仲良さそうに話をしている瑛君とあかりちゃんを見つけた。
2人笑い合い瑛君があかりちゃんの頭を触る・・・クラスの男子がそれに気づき2人を囃し立てた。
瞬間、私と瑛君の視線が交差したが私は溜まらず目をそらし俯き唇を噛んだ。
《私たち、付き合っているんじゃなかったの?》
そのまま瑛君のほうは見ないようにして自分の席へついた。
「うわっ、モデルのゆかりさん?同じクラスなんだラッキー」
近くの男の子から声をかけられる。
無理に笑顔を作り、よろしくねと言葉を返した。
大丈夫、笑顔を作るのなら慣れている。
そしてその日、瑛君と言葉を交わす事は無かった。
夜、『同じクラスになれて良かったね』とメールしたけど返事は無かった。
携帯に残したホワイトデーに貰ったガーベラの写真を見ながら呟く。
「返事くらい、頂戴よ」
鼻の奥がツンとした。
ほとんど眠れないまま、朝を迎えた。
《学校、行くの嫌、だな》
瑛君と顔合わせたくない。それに酷い顔してる。
《でも、行かなくちゃ・・・だよね》
でも瑛君に会ったらなんて言えばいいの?
携帯を手にため息をつき、何故か珪君の顔が浮かんだ。
話だけ、聞いて貰おうかな。
もしも電話に出なかったら、学校に行こう。
出たら話を聞いて貰おう。
自分でも、どうしたいのか分からないまま珪君に電話をかけた。