GS トリップ1

□体育祭
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体育祭の日が今年もやってきた。
去年は瑛君と二人三脚をやって・・・運ばれたんだよね。

今年は私は二人三脚にエントリーしていないから、去年のような事はおこらないだろう。

安心安心。と思っているとクラスの一部が騒がしい。
どうやら瑛君の二人三脚のパートナーが決まっていなくて、誰にするのか揉めているようだった。

しばらく様子を見ていると大迫先生の「俺に任せろっ」という大きな声が聞こえた。

まあ、先生が指名しちゃえば揉めないし憎まれないね。
考えた末なのか思いつきなのかは不明だけど、一番良い方法だろうね。

そう思っていると大迫先生が私に近付いてきた。

「おっ、居た居た。
東、佐伯の二人三脚のパートナー、お前がやれ」

「はい?なんで私が?
身長差が半端無いから私、浮いちゃいますよ。
去年なんか、足付かないままゴールでしたもん」

「おっ、去年のパートナーなのか?
それなら適任じゃないか」

大迫先生は満足そうに笑う。

「だってそれに、佐伯君となんてやったら、
プリンスのファンに嫌がらせされちゃいます」

「それは、平気だろ。
葉月珪の彼女に嫌がらせできる奴はいない筈だ」

・・・だから私は珪君の彼女じゃ無いって。

これは、決定事項なんだな。と諦め大迫先生と一緒に瑛君の所へ向かった。

「佐伯ー。お前の二人三脚のパートナ―連れてきたぞ」

そう言いながら瑛君に近付いていく。

「ありがとうございます。先生が決めたのなら文句が出ないかと・・・あ、お前かよ」

プリンスモードが私を見て、素になったが

「ゆかり・・・さん、よろしく」
いそいで仮面を被ったようだった。

「うん、よろしく・・・ね?」

大迫先生が、頑張れよーと言いながらその場から去ると

「なんで疑問形なんだよ。
・・・でも良かった。相手がお前で、大迫先生が俺がパートナーを連れて来てやるって言うから、誰を連れて来るかと内心冷や冷やだったんだ」
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