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□思惑
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ゆかりは悪い奴じゃないと証明したくて、必要以上に話してしまう。
「だが、色々と分からぬ事が多すぎる子だ。しかもモデルの葉月と付き合っているのでは?と言われているな。彼女も彼とのほうが幸せなんじゃ無いのか?」
「それは葉月さんは記者会見で否定しただろ。
ゆかりは本当に良い奴なんだよ。珊瑚礁だっていっぱい手伝ってくれてる」
「そんなのは理由にならない。とにかくお前は家に帰るんだ」
「嫌だよ。珊瑚礁だってあるし、学校だって」
学校の事を持ちだせば退くと思ったが甘かったようで
「学校なら心配するな。向こうの私立に転入の手続き済みだ。今の学校の成績ならば問題無いと許可されている」
「なに、勝手にやってんだよ」
「いいから言う通りにしろ、それともお前は珊瑚礁を潰すつもりか?」
「どういうことだよ・・・」
「お前が今、大人しく言う事を聞けば珊瑚礁に対して何も口を出さない。もちろん、やめろとも言わない、さあどうする?」
「そんな・・・・」
俺は唇を噛むしか選択肢はなかった。
そして俺は、親父に連れられ実家へ向かった。
これが、おそらくマネージャーが仕組んだ事だと分かっていながら・・・・・どうする事も出来なかった。