GS逆トリップ(瑛)
□ 夢にかける思い (瑛)4
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酔っていたのは、本当は俺のほうかもしれない。
転びそうになった名無子を受け止め、抱きしめ、そのままキスをした。
最初はこの前同じ位に軽く、そして何度も啄むように唇を合わせる。
「・・・っ瑛、やめて・・・」
「いやだ、やめない。
多分俺はもう元の場所へ帰る。だからせめてキスだけででも想いを伝えたい。
なんで違うんだよ。なんで同じ世界で過ごせないんだ。俺、お前と一緒に自分の店を作りたいって思うのに」
ずっと思っていた言葉を名無子に伝える。
「私も瑛と一緒にカフェを作れたらって良いな、って思う。
でも無理なの、わかるでしょ?」
ゆっくりと諭すように話す名無子。
ああ、この話し方好きだななんて思ってしまう。ずっと聞いていたくなる。
「なあ・・・・頼みがあるんだ。
何もしないから、今晩は名無子を抱きしめて眠りたい」
「え・・・・」
「多分、俺はもうすぐ帰る。だから・・・その・・・離れたくない。
どうしても、お前を抱きしめたまま眠りたいんだ」
「そんなの離れた時の寂しさ倍増、だよ」
「わかってる。悪い、だけど頼む」
「・・・仕方の無い子ね」
「年下扱いするな」
少しムッとして、抱きしめる腕に力を込める。
「だって、そうでもしないと流されちゃいそうなんだもの」
「それって、意識してくれてるって事だよな?」
名無子を抱き寄せたままベッドに向かう。
「変な事したら、ぶっ飛ばすから」
「努力する」
俺の理性総動員が決定した。
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