GS トリップ1

□再会
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「ちょっと珪、勝手に休憩に入ったら困るじゃない」

「撮影できる状態じゃなかったから、ここで待機してただけ。ちゃんと行先を言ってからきたから、勝手ではない」

なんか、屁理屈に聞こえなくもない。

「まあ、それは認めるけど、急に相手役がいる撮影はNGだって言っても困るわよ」

「急じゃない。随分前から全部、断ってる。今回のも聞いていない」

なんか今のやり取りで色々経緯を納得した。
相手役がいる撮影が嫌で撮影が止まっている最中なのね。

マネージャーさんが言葉を続ける

「断ってる・・・って、この前はOKしたからもう大丈夫なのかと思ったのよ」

「この前はこの前。
好きでもないような奴との撮影が嫌なんだ」

珪君の言葉を聞いた瑛君がため息を漏らす。

「ゆかり帰るか」

「え?でも・・・」

ケーキ食べかけ

そう思って瑛君に言い返そうとしたらマネージャーさんが私たちに気が付いた。

「あら、あなた達」

横でまた瑛君が小さいため息を漏らす。

マネージャーさんは私たちを見てにっこり笑うと葉月さんに

「つまり、今回の仕事も相手次第ではやるって事で良いのよね?」

「ああ」

珪君は、そう言ってコーヒーを飲んだ。

マネージャーさんは頷くと私に向かって

「ね、あなたこの前モデルをやってくれた、東さんよね」

「あ、はい」

急に話を振られたので驚いてしまった。

「今回も急で悪いんだけど、珪の相手役モデルをやってもらえないかしら?」

「え?だって今、葉月さん相手がいる撮影は嫌だって話してたんですよね。だから無理なのでは?」

だってさっきの話からすると、そうなる。

マネージャーさんは小さく笑うと

「多分、あなたなら嫌ではないはず。
珪、そういう事で良いかしら?」

そう言って葉月さんを見る。

「ああゆかりが嫌じゃなければ、構わない」

なんか、非常に断りにくい状況なんですけど。

困って瑛君を見る。

「良いじゃないか、やってやれば。
・・・俺は帰る」

そう言って立ち上がった。

怒ってる・・・というより、かなり不機嫌。

泣きそうな気持ちで瑛君を見ると、
ため息をつき

「どうせ断れないし、断っても気になるんだろ。じゃあな」

そう耳元で言って帰って行った。

「えっと・・・じゃあ、やります」

そうしてまた、モデルをやる事になった。
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