薄桜鬼 現代 斎藤妹

□妹との出会い
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次の朝
階下の台所からの良い匂いで目が覚めた。
こんなの母が他界してから味わったことが無い。

身支度をして台所へと行くと朝食が用意されていた。

「おはようございます。すみません勝手に朝食の支度をしてしまったのですが・・」

テーブルに洋食の朝食が並んでいた。

「ひょっとして齋藤さん、朝は和食派でしたか?食パンがあったから洋食かな?って思っちゃったんです」

「いや、決めていない。というより食べない事もある」

「え?迷惑でしたか?」

しゅんとなるさくらを見て思わず苦笑が漏れる。

「そんな事はない。食べるぞ。荷物が届くのだろう?」

「あの、おじ様は?」

「ああ、今朝から出張だと聞いている。
今朝は早くに出たはずだ。今回は1週間の筈だ」


「親父とは面識があったのか?」

ふと疑問に思った。

「はい、父と仲が良かったようで小学生の頃は頻繁に家に来ていました」

そんな事を話しながら食事を済ませた。



荷物が届いたが、さくらが言っていた通り僅かなもんだった。

手伝おうか?と言ってみたが、

「少ないし、なんだか恥ずかしいので・・」

「じゃあ必要な物があれば声をかけてくれ」

そう言って部屋を後にするとチャイムが鳴る。

ピンポンピンポンとしつこい。
このチャイムの鳴らし方は・・・・・
思い当たる奴の顔を浮かべながら玄関へ向かった。

「チャイムがすごく鳴っていますけど?」

そう言いながらさくらが顔を出した。

「多分俺の悪友だ。
・・・顔は出さないほうが良い」

「?じゃあ顔を出さないようにしますね」

アイツにさくらの事がバレたら面倒な事になりかねない。
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