GS トリップ1

□ルール
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撮影後、私たちは珪君の家にいた。
珪君と私の前には幻想社のカナルという人。

ここがゲームの世界だという事を除いて再度説明している。

私が、ゆうかさんと同じ世界の異次元の人間で実際の歳では無いという事や高校卒業までは幻想社の管理の元に暮らしているという事。
この事が他の人にバレようにしなければならない事を説明された。

そして珪君が持っている私たちを繋いだゆうかさんと私のツーショット写真は誰にも見られないようにするようにとかなり強く言われた。(本当は取り上げるつもりだったらしいけど、珪君に拒否された)

最後に
「お2人で色々話すのは自由ですけど、くれぐれも東さんが異世界の人間だという事が他の方に分からないようにお願いします」

そして私の学校の保護者というか、保証人欄は幻想社になっているのを珪君に変えたいという申し出があった。

「うちの社だと色々不都合なんですよ。葉月さんは東さんの知り合いに頼まれてという理由にしておきますから、宜しくお願いします。
色々秘密も知っているし仕事も一緒にやってるようなので丁度良いんです」

多分これで、カナルさんの話は終わりだろう。
そう思ったので聞いてみた。

「あの、高校卒業したら絶対に元の世界に帰らないと駄目なんですか?」

だとしたら、私は誰とも恋なんてしたくない。
別れなければならないのを分かった上での恋なんて辛いだけだ。

「いえ、卒業後にココに残るか帰るかを選んで頂く事になります。
ただし、それ以降の変更はできません。幻想社のフォローも無くなります」

カナルさんが帰った後、私は色々考えてしまった。
高校を卒業する時、私はどうするのだろう。

ゆうかさんは、帰る事を選んだ。

だから、今の珪君がいるのだろう。
ゆうかさんの写真を見る、寂しそうな珪君の表情を思うと本当に色々考えてしまう。

「どした?大丈夫か?」

私が黙り込んだからであろう。珪君が心配そうに覗き込んだ。

「なんか、色々考えちゃって」

「今はまだ、考えなくて良い」

「うん、ありがとうございます」

少し微笑むと
「もう遅いな、送る」

そう言って、珪君の家を後にした。
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