薄桜鬼 現代 斎藤妹

□本心
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玄関へと急ぐと、僅かな段差にさくらは腰掛け居眠りをしていた。

「こんな所で眠ると風邪を引くぞ」

そう言って起こそうと肩に手を置いて異変に気が付く。

身体が熱い。

「おい・・」

声をかけかけて止めた。
それより早く家へ入れベッドに寝かせたほうが良い。

「あれ?さくらちゃんどうしたの?」

後ろから総司が覗き込んだ。

「熱があるようだ。カギを開けてくれ」

そう言って総司にカギを渡し、さくらを抱き上げた。

ベッドに寝かせるが、制服のままという訳にもいかないだろう。
しかし、着替えさせるのも・・・・

考えていると総司が

「一君が着替えさせてあげる?それとも僕が寝間着に着替えさせてあげようか?」

などと不届きな事を言った。

「できるわけ無いであろう。そうだ・・・」

思い立ち左之助に電話をした。

「左之か?一緒に千鶴はいるか?悪いが千鶴に頼まれ事をして貰いたい」







「話しには聞いていたけど、齋藤さんに妹さんが・・って本当だったんですね」

さくらを着替えさせた千鶴が部屋から出てきて言った。

「ああ・・・迷惑をかけた」

「迷惑だなんて全然・・・あ、着替えさせている途中、気が付いたので行ってあげてください」

千鶴に言われ部屋に入る。

「今日1日家にいるといったのに悪かった」

「いえ、私がカギを忘れちゃったのがいけないんです。・・・・ごめんなさい」

「謝るな」


「齋藤〜、俺たちは帰るぞ」

ドアの外で左之助の声がしたので

「送ってくる」

そう言い残し部屋を出た。

「一君、ちゃんと看病してあげてね」

総司は、泊って行くと言って聞かなかったが奴がいると煩いと思い無理矢理に帰した。
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