薄桜鬼 現代 斎藤妹

□無防備にも程がある
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「ねえ、さくらちゃんクリスマスの予定は空いてる?」

家で総司が声をかけている。
なんでお前は、いつも我が家にいるのだ?
それに、お前だけはダメだと言った筈だ。

なのにさくらはニコニコしながら答えている。

「空いてますけど?どうかしたのですか?」

「僕とクリスマスパーティに行こう」

そう言ってさくらの顔を覗き込んだ。

「総司っ」

顔が近い。それに兄の俺の前でさくらを誘うんじゃない。
否、目の届かぬ所で会われるのはもっと困る。

「やだなぁ一君、怖い顔しちゃって。近藤さんのクリスマスパーティだよ。
近藤さんにさくらちゃんの事を話したら、ぜひ会いたいって言ってたから誘っただけ」

「そういう事ならば、最初からそう言えば良いだろう。それに勝手にさくらの事を人に話すな」

「そっか、そうだね。
勝手に話しちゃってごめんね。さくらちゃん」

そう言ってまた、さくらに近づいた。

「総司っ!そのようにさくらに不用意に近づくな」

「どうして?キスするとでも思った?」

その言葉に、赤くなるさくら。
そのような可愛い顔を総司の前でするな。と苛々とした気持ちが湧き上がる。

「総司、さくらをあまりからかうな」

総司が来るといつもこうだ。

「あのっ。クリスマスパーティって?」

さくらが本題に戻してくれた。

「ああ、剣道道場をやってる近藤さんって言う人が主催のクリスマスパーティなんだ。楽しいよ。だからさくらちゃんも行こう」

「それなら今年は俺も行くとするか」

ここ2年位は丁度予定が合わず、出席が出来ずにいたが、さくらが行くのなら話は別だ。

「えー、一君も行くの?」

「なにか問題があるか?」

「さくらちゃんを独り占めしたかったのにな」

「・・・絶対に行く」
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