薄桜鬼 現代 斎藤妹

□バレンタイン
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※妹ちゃん視点でお送りします。

もうすぐ、バレンタイン。
実は私、バレンタインに父様以外にチョコを贈った事が無い。

学校の先生って言っても男の先生は少ないし、居てもオジさんばかりなんだもの。
あ、土方先生は別。だからすごい人気。
中高等部の担当だから、中等部からの人気も高等部からの人気もすごい。


《今年はおじ様と兄様にあげたいな》
そう考えた。

沖田さんには・・・あげないと拗ねるかも。
土方先生にもあげようかな?兄様とも知り合いみたいだし。

でも『学校に必要の無い物を!』って怒られちゃうかな?
鬼の生徒指導だからね。

どうせなら、手作りしちゃおうかな。

そんな事を考えるのが、すごく楽しい。



バレンタイン当日

おじ様と兄様に用意しておいたチョコを渡した。

「娘は良いものだね」
おじ様はそう言って出掛けて行った。

兄様は何も言わなかったけど喜んでもらえたみたい。・・・少し顔が赤かったし・・・。


そして学校では

「先輩!」

廊下へ出るたびに呼び止められ、教室にいても呼び出される。

その様子をクラスメイトは苦笑して

「さくらちゃんって可愛いキャラなのにね」
と言ってきた。

そう、後輩からチョコをいっぱい貰ってしまっている。

「本当、普通男の子っぽい子とか姉御キャラの子がモテるんだと思うのにね」

私だって不思議なのだ。

「お前、凄いな」

その声と共に現れたのは土方先生。

「あ、先生。これいつもお世話になってるお礼です」

そう言いながらチョコを差し出すと

「ここでか、職員室に届けようという考えはないのか?」

「教室から出る度に捕まってしまっていますので、それにコレ特別に手作りです」

「特別・・・本当か?齋藤に怒られそうだな」
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