薄桜鬼 現代 斎藤妹

□卒業
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※妹ちゃん視点です。


今日は卒業式の日。
卒業式と言っても中等部から高等部へ進学するわけなので、あまり感慨は無い。
しかも代表の生徒だけが動くような式なので一般生徒はただ講堂の自分の席から眺めているだけだ。

そういう訳だが、

『中等部、卒業証書授与――卒業生代表
斎藤さくら』

「はい」

そう、私、中等部の総代なのよね。



加えて・・・・・・



『中等部感謝の言葉――中等部生徒会長
斎藤さくら』

「はい」


中等部の生徒会長もやってるのよね。


後半は高等部の式なんでやっと見るだけの人へと回れた。

でも私の両親が生きていたら、喜んだのかな。
見に来てくれただろうな。

やっぱり、寂しいな。

そう考えているうちに式が終わり卒業生退場になった。

後ろのほうの保護者席をふと見る。
大勢の保護者達が座って・・・・・・


え?


黒いジャケットを羽織った・・・・兄様が居た。


会場から出るとみんな親が来るのを待ちそれぞれ話したり、記念撮影をしていた。

「はじめ兄様」

嬉しくてつい名前付きで呼び駆け寄ってしまった。

「来て下さったんですね」

「ああ、総司に俺が行かぬのなら自分が行くと言われた故」

沖田さんらしい言い方。

「ありがとうございます。すごく嬉しいです」

寂しいって思っていたから、思わず涙が出そうになる。

「来て良かった。代表をやるなら言えば良いものを」

「わざわざ、来て頂くのは悪いと思って」

だって、私たちは本当の兄妹ではない。

「大事なさくらの為だ。動かぬ理由は無いであろう」
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