薄桜鬼 トリップ
□雷鳴と共に
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ゴーゴーと唸る風にガラスを叩きつける雨。
雷まで鳴っている。
怖い・・・
1人自室で携帯をいじっていたが、怖さに耐えかねて、兄様・・・じゃなかった一さんの部屋へと向かった。
(2人の時は名前で呼ばないと怒るのよね)
ドアをノックして
「一さん?」
声をかけドアをあける。
中に入ると
「怖いのだろう?」
優しい声で聞いてくる。
頷いてベッドに座ると、私に近付き
「さくらは怖がりだからな。
仕方ない。一緒に寝るか?」
そう言って優しく抱き寄せてくれた。
その時一際大きな稲光と雷鳴が轟いた。
思わず目を閉じ、強く一さんに抱き着いてしまった。
その後、すぐに静寂が訪れた。
あれ?
雨と風の音、雷の音も消えてる。
そう思い目を開けた。
私の目の前にはさくらさんの顔。
「大丈夫か?さくら」
「うん、驚いただけ」
そして
「おい、お前ら、
何処から来たんだっ」
何処かで聞き覚えのある声がした。