薄桜鬼 トリップ

□自分を守る為
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「さくら、後で俺の部屋に来てほしい」

斎藤さんに呼ばれ何の用かと思いながら部屋を訪ねる。

「齋藤さん、さくらです」

襖の前で声をかければ

「入れ」

すぐに短く返事が返って来た。

中に入ると小太刀が置いてある。

「お前に・・・これを持たせたいと思う」

「私にですか?私は剣の心得が無いので私には過ぎたものになるかと思うのですが」

「俺が空いた時間に稽古をつけるが故、心配ないであろう」

「齋藤さんが剣を教えて下さるのですか?」

「ああ、俺では不満か?」

少し悪戯っぽいような目で見ながら聞いて来る。

「そんな訳ないです。恐れ多いくらいです」

私の返事にふっと小さく笑うが、すぐに真顔に戻り

「自分の身は最低限自分で守れる様にしておく為だ」

斎藤さんの言う通りだ、この時代を新選組に身を寄せ生きるのならば、少し位は剣術が出来ないと困る。

私は齋藤さんから頂いた小太刀を脇に刺し

「では、ご指南宜しくお願いします」

そう言ってお辞儀をした。

「丁度良い今日から稽古を始めるぞ」

そう言い私を従え壬生寺へと向かった。
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